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「勤務間インターバル制度」とは何でしょうか

クレーン
今年も労使で賃上げを初めとする労働条件等について話し合う、いわゆる「春闘」の時期です。その話合いの中で、いくつかの労働組合が「勤務間インターバル制度」の導入を使用者側に要求しています。この制度、何なんでしょうか?
名前を分割して考えてみましょう。日々の「勤務」の「間」に「インターバル(間隔)」を設ける「制度」、つまり勤務時間の終了から開始までの間にあらかじめ定めた一定時間の間隔をあけることで長時間勤務を抑制し、労働者の心身の疲労回復を図ろうというものです。例えば、始業が9時、終業が18時という会社でインターバル時間を10時間としたとします。
①終業時刻が19時の日→翌日は通常通り9時から勤務(通常勤務で問題なし)
②終業時刻が23時の日→翌日は通常通り9時から勤務(通常勤務で問題なし)
③終業時刻が2時の日 →翌日は12時から勤務(10時間のインターバルが必要)

上記のように、終了から開始までに一定時間のインターバルを取ることで労働時間の上限にキャップがされるため、長時間勤務の抑制になり、その結果残業時間も減少します。使用者側も残業手当等の賃金の抑制にもつながります。ただ、長時間勤務による残業手当をアテにしている労働者にはマイナスになります。一人当たりの労働時間に制限がかかりますが、仕事量の総量は変わらないということで、効率的な仕事の進め方が求められます。また、コアタイムのあるフレックス時間制と異なり、前日の終業時間により、各労働者の出勤時間がバラバラになる可能性があります。導入には業務スケジュールや緊急時の対応等も検討する必要があります。ところでこの制度、期限付きですが導入すると「職場意識改善助成金」という助成金が厚生労働省から支給されます。

EU諸国では24時間の中で最低連続11時間の休息の付与が義務付けられています。日本でも一部企業で導入が進んでいますが、認知度はまだまだです。
何よりも長時間労働による過労死を防ぐ良策として導入が進むとよいのですが。

「職場意識改善助成金(勤務間インターバルコース)」に関する厚生労働省の資料はこちら


2017年03月21日 05:11
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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