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2018年10月の記事:ブログ(日々雑感)

事業主さまの悩みのタネ~生活残業を減らす~

御所の紅葉(20181031)

現役のサラリーパーソンとして社員の勤務時間を管理していた頃には役員と、あるいは社会保険労務士となって事業主さまと話をするとよく相談されることに、「社員の無駄な生活残業を減らしたい、抑制したい」ということがあります。どの企業でも、いつの時代でも少なからず生活残業やダラダラと無駄な残業をして残業代を得る人が少なからずいます。でもこれを暗黙の了解として認め、放置することも決して良いことではありません。

 

もし同額の基本給を得ている2人の社員が、同じ量の仕事に対して定時内で終えて帰宅する人と、故意に残業をして残業代を得る人であった場合、経営者としてこの2人に対する評価の違いは明らかです。とは言え、労働時間としての実績を一方的にカットしたり、なかったことにすることもできません。ではどうすればよいか、事前にできることと事後にできることをそれぞれ考えてみます。

 

まず事前にできることとしては、残業の許可制です。終業時刻以降に残業が必要となる場合には事前に申請をし、管理職の承認を必要とすることで、本人の自由な意思による残業を制限をすることができます。その場合には、残業をする理由と終了予定時間を申請し、管理職がその妥当性を判断し承認することもポイントです。また、逆のケースで会社側が残業を必要と判断する場合もあります。この場合には「残業指示」として命じることです。いずれにしても会社が残業時間とその目的と成果を正しく把握しておくことです。

 

次に事後にできること、それは残業を含めた仕事の評価を賞与で査定する方法です。時間内で成果を上げている社員には言うまでもなくプラス評価として加算する一方で、生活残業やダラダラ残業をしている社員に対しては相当分の減額という手段で調整する方法です。賞与はあくまでも評価期間の会社の収益や労働者の勤務評価、職務評価によって支給されるもの。その点を明確に労働者に伝えることもできます。

 

ただ場合によっては「どうして生活残業が発生しているのか」という根本的な原因について調べてみる必要があります。そもそも賃金が低く、止むに止まれずしている可能性もあります。会社は生活残業と判断していても、実際に業務量が過剰になっている場合もあります。先ほどのような対応も取りつつ、労務管理として実態の把握に努めることが重要になります。

 

 

2018年10月31日 06:15

公的保険の次が私的保険

竹中稲荷神社(20181030)

ファイナンシャルプランナーが受ける相談で、意外に多い質問があります。それは、

「どんな保険に加入したらいいんでしょうか」

 

もっともなことです。そこが知りたいからそこファイナンシャルプランナーにご相談される訳で、この質問にしっかりお応えしなければいけません。私がこの質問を受けた時、まず最初にご説明することが一つ、それは「保険会社が販売している保険(私的保険)は、あくまでも足りない部分を補うもので、なにかプラスαを得ようとするものではありません」とお話ししています。

 

私も含め、皆さん制度の違いこそあれ社会保険に加入しています。万が一亡くなったとき、病気やケガで医療機関にかかったとき、治療中や治癒後も一定期間仕事ができずに収入を得られないときなど、100%補填はされないものの一定の給付を社会保険から受けることができます。最も身近な例でいえば、病院での会計で支払いが3割で済んでいるのは、残り7割が加入する健康保険から支払われているから。更にその3割も一定額を超えると「高額療養費」という仕組みで負担が軽減されるようになっています。こういった公的保険の仕組み、意外に知らないことが多いのです。

 

もしこういった仕組みを知らないと、何かあったときの準備のすべてを民間の保険でカバーしようということになります。これでは保障の重複となり、保険料のムダとも言えます。保険会社の生命保険や医療保険の加入を考える場合、まずは自分が加入している公的保険から受けることができる給付と、そこからいくら足りないのかを確認することがポイントです。よく雑誌やネットの見出しで、「40歳代で万が一の時は〇〇万円不足」といった記事を見かけます。間違いではありませんが、不足額はそれぞれが置かれている環境によって千差万別、一概にいくらとは言えません。特に死亡保障の場合にその不足額を求めるには実に多くの要素が必要となります。生命保険会社の営業員が、何の根拠もなく保険金額を見積もって作成してくる資料は私から言えば論外です。

 

もし、何かあっても貯蓄で賄えるほどの相当の資産があれば、強制加入となる社会保険は別として、生命保険や医療保険への加入は必要でないかもしれません。あくまでも足りない部分を補うのが私的保険であり、何かに乗じて収入を得るというものでもありません。よくよくその「足りない金額」を考えて加入を検討してみてはどうでしょうか。

 

 

2018年10月30日 07:47

未来へ向けての第一歩

京都御所にて(20181029)

先日、ある顧問先企業さまからこんな嬉しい報告をいただきました。

「来年度の学卒新規採用予定者から承諾の返事が届きました」

 

こちらは過去に新規採用をしたことがなく、今年度の採用活動を全面的にバックアップさせていただいた企業さまです。募集を行う学校へのご紹介、会社説明会で使用するスライド資料の作成や説明会の進め方、実際の説明会への同席など採用担当者と一体となって取り組んだ成果とあって、結果がでて私自身も嬉しさと同時にホッとしたご報告でした。来年4月以降の研修で利用するテキストの仮納品も済ませており、今後は次年度の採用支援の継続と併せて、新人研修支援のご依頼もいただきました。有り難いお話しです。

 

新しい人材を継続的に確保・育成していくことは企業にとっての根幹です。こちらの企業は今後の事業展開を見据えて、今までの中途採用中心から新卒者採用・育成という新たな方法を検討され、昨年のちょうど今頃にお話しを戴きました。「企業にマッチした人材を自分たちで育て、いずれ会社を支える人材になってほしい」という経営者さまの考えがベースにあり、いい意味でのトップダウンで判断いただけたことも結果に繋がっています。何よりも一緒に動いた採用担当者の方の熱意が就職担当の先生や、学生さんに伝わったのでしょう。

 

中途採用と違い、新卒採用はその成果が出るまでに相応の時間とコストが必要になります。私の経験則から最低3年はじっくり育てるという取り組みが必要。その点も経営者さまにご理解いただいており、これから新人研修終了後からの向こう3年間の育成のロードマップの検討を始められるとのこと。業界マターの専門的なことでもあるのですが、私も一緒に勉強させていただければと考えています。

 

プロ野球セリーグで3連覇を達成した広島東洋カープを見ていると、地道な人材の確保から育成が、その後にいかに大きな結果に繋がるかを改めて考えさせられます。少なくとも私の顧問先企業さまにあってはかくありたいものです。

 

 

2018年10月29日 08:39

京都市でもいよいよ始まります

栄摂院境内にて(20181028)

最近の当ブログでマイナンバーカードの普及率について書いた際、「京都市ではマイナンバーカードをコンビニでは利用できない」と紹介しましたが、いよいよ利用できるようになります。

 

京都市のホームページによれば、利用開始は平成31年1月15日から。取得できる証明書は以下の通りです。

利用できる人 取得できる証明書
京都市に住民登録をしている人 住民票の写し,住民票記載事項証明書,印鑑登録証明書,所得証明書,課税証明書(全項目)
京都市に本籍地のある人 戸籍関係証明書,戸籍の附票の写し

 

所得証明書,課税証明書(全項目)は最新1年分のみという条件がありますが、手数料は窓口で交付を受ける場合と同じとなっています。利用できる時間は年末年始の官公庁の休業期間を除き、6時30分~23時(戸籍関係証明書,戸籍の附票の写しを除く)ということで、一人暮らしの人や日中は仕事で行けないという人には便利になります。なお、京都市に住民登録をしていない人が、戸籍関係証明書,戸籍の附票の写しを請求する場合には、事前に利用者登録が必要になります。

 

また区役所や支所にもコンビニ交付と操作方法が同様の端末が設置されるため、「ちょっとコンビニで端末を一人で利用するのは後ろに人が並んだ時に不安」という人は区役所や支所で説明を受けながら発行できます。私の場合、こういった書類が必要になったとき、最寄りの京都市役所証明書発行コーナーを利用しています。頻繁に行くことはありませんがやはりちょっと面倒。今後はコンビニで取得できるとなれば。マイナンバーカードの普及も進むかもしれませんね。

 

「証明書コンビニ交付の開始・マイナンバーカード普及促進キャンペーンについて」~京都市のサイトはこちら

 

 

2018年10月28日 05:59

食べる場所が変わったとき、2%はどうなるの

夕焼け(20181027)

来年10月から消費税が10%に引き上げられる予定となっています。当初は平成27年10月に予定されていた引き上げは2度延期された経緯もありますが、今回は早々に安倍首相も実施を明言しています。そこで少し気になることがあります。

 

今回の引上げと同時に導入されるのが「軽減税率」、一部について消費税を現在の8%に据え置こうとするものです。その対象となるのは、酒税法に定める酒類を除く食料品。酒税法に定める酒類とは、アルコール度数が1%以上(酒税法第2条)の飲料が該当し、おおよそ一般庶民が口にする酒はすべて軽減税率の対象外となります。そして対象外となるものがもう一つ、それが「外食」です。

 

最近もこの「外食」について新聞で取り上げられていましたが、内閣府の政府広報のホームページに掲載されている外食の定義は、「テーブル、いす、カウンター等の飲食に用いられる設備のある場所で行う、飲食料品を飲食させるサービス」とされています。一方でこういったものは外食に当たらないとも書かれています。

➀牛丼屋、ハンバーガー店のテイクアウト

②コンビニの弁当、総菜(イートインコーナーがある場合でも、持ち帰りとして販売されるときは軽減税率を適用)

③屋台での軽食(いすやテーブル等の飲食設備がない場合)

④有料老人ホーム等での飲食料品の提供、学校給食等

⑤そば屋の「出前」、ピザ屋の「宅配」


こうなると、ファーストフードやコンビニ弁当などは店内やイートーンコーナーで食べるよりテイクアウトした方が安いということになりますが、ここで自分の行動を振り返って冒頭にも書いた気になること。みなさんもこんなことありませんか。

「テイクアウトのつもりで買ったけど、ふと見ると席が空いた。じゃあ、そのまま店内で食べていこう」

軽減税率適用後、ファーストフード店やコンビニなどでは、テイクアウトかどうかを確認して消費税を8%あるいは10%で会計をすることになります。最初はテイクアウトで会計したのに、そのお客さんがイートインコーナーで食べ始めたらどうすればよいのでしょうね。「すみません、消費税2%分戴けますか?」ということになるのでしょうか。そもそも弁当を買った客ごとに8%あるいは10%のどちらで会計をしたかなど覚えてられません。意図的に「テイクアウトです」と言って買ったあとでイートインコーナーで当たり前のように済ませる人も出てくるかもしれません。さて、この問題どうなるんでしょう。

 

最近開催されることが多い「〇〇グルメ祭り」とか、「✖✖フェスタ」といった催しも気になります。先ほどのホームページではフードコートでの食事は外食となります。例えば屋台で買ったものを設置されたフォードコートで食べたら外食で10%、少し離れたところにあるベンチや道端で座って食べたらテイクアウトで8%、お客さんがどこで食べるか屋台の店員さんはわかりませんよね。

 

さて、この問題どうクリアされるのでしょうか。たかが2%かもしれませんが不公平が無いようにはしてもらいたいものです。

 

 

2018年10月27日 07:15

昨日のニュースから感じた雑感

真如堂(20181026)

10月最後の金曜日、すっきりした真っ青の空、気持ちのよい朝です。

 

今日は午後から大阪市内へ顧問先への定期訪問と、ライフプランニングの個別相談を予定しています。社会保険労務士とファイナンシャルプランナーの二本立て、有り難いことです。顧問先企業さまとは来期に向けた打ち合わせがメインとなりますが、先月のご提案に対してどのようなご依頼をいただけるか、少しでもお役に立てればいいのですが。

 

話は変わりますが、先日のプロ野球ドラフト会議。予想通り夏の甲子園で活躍した選手に1位指名が重複し、高校生3人に11球団の指名が重なりました。昔に比べると、「この球団しか行かない」という発言って減ったような気がします。自己主張する人が減ったのか、あるいは「まずはプロ球団に入り実績を積んで、その後にFAを使っていずれは行きたい球団に行ければいい」という考えがあるのでしょうか。いずれにしてもドラフト会議で指名されるというだけでも凄いことなんですが。

 

昨日のドラフト会議で1位指名を受けた高校生4人、夜のニュースではそのインタビューが流れていましたが、感心することしかり。4人ともしっかりしていますよね。ちゃんと自分の意見を持っていてそれを相手に伝えることができる、また周りへの感謝の気持ちを忘れない発言もありました。野球を通じて人間形成もされているんでしょうね、指導されている方々の思いが伝わってきます。

 

それにして大阪桐蔭高校で指名された選手はなんと4人、さすが春夏連覇するだけのことはありますね。

 

 

2018年10月26日 08:19

「20歳前傷病による障害基礎年金」を聞いたことがありますか

鴨川にて(20181025)

「20歳前傷病による障害基礎年金」、あまり聞きなれない言葉で一般には知られていないかもしれません。が、障害年金を扱う社会保険労務士にとっては、重要なキーワードです。

 

20歳前傷病は、「はたちまえしょうびょう」と我々は読んでいます。一般に国民年金(基礎年金)には20歳になったときに加入し、保険料の支払いが始まります。例外としては高校卒業後に就職した場合、厚生年金に加入することで併せて国民年金にも加入するため、20歳前でも国民年金の被保険者となります。国民年金に加入後、もし事故によるケガや病気から治癒した後に一定の障害が残った場合、請求し一定の障害状態と認められれば障害年金を受給することができます。

 

障害年金を請求する場合、満たしていなければならない条件の一つが「保険料納付要件」。要はちゃんと国民年金保険料を納めていたかという確認です。「保険料が未納だったけど、年金を支給してください」では不公平、この点については厳しくチェックされます。20歳後に障害年金を請求する場合、私たち社労士はまずこの保険料納付要件を必ず確認することになります。

 

ところが、生まれつきの障がいがある人や、若い頃の事故や病気などによって国民年金加入前にすでに障害状態となっている場合があります。もちろん加入前のため国民年金保険料も支払っていませんが、こういった人も障害年金の支給を請求することができる仕組み、これが「20歳前傷病による障害基礎年金」です。20歳後の場合と違い、保険料納付要件は問われません。そのため、20歳前後に初診日がある病気やケガによる障害年金の請求は、その初診日がいつかが非常に重要なポイントともなります。

 

ちなみに障害の有無とその程度を決める日を「障害認定日」といい、原則として初診日から1年6ヶ月後になります。20歳傷病の場合には、この障害認定日は20歳到達日が該当しますが、20歳到達日が初診日から起算して1年6ヶ月以内にある場合には、原則通り1年6ヶ月を経過した日が障害認定日となります。また、20歳前傷病による障害基礎年金には保険料納付要件はありませんが、一つ制限があります。それは所得がある場合。20歳後の障害基礎年金にはこの仕組みがありませんが、20歳前傷病による場合、一定の所得があると年金額が減額されます。

 

障害年金には、この20歳前傷病以外にも、事後重症や併合認定、基準障害など仕組みが複雑で例外も多く、社労士でも一概に判断が難しい制度です。でもいつ自分が障害状態になるかわかりません。「ああ、こんな仕組みもあるのか」と頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。

 

 

2018年10月25日 05:22

いよいよ70歳への具体的な議論が始まる

真如堂境内にて(20181024)

22日、安倍首相が「70歳雇用」についての法改正を指示したとの報道がありました。

 

現在は2013年4月に施行された法律により60歳定年とし、その後本人が希望すれば65歳まで働くことができるようになっています。これを70歳まで引き上げるというのが今回の目的。世の中が高齢化し、また健康な高齢者も増えている中で、安倍首相の言う「高齢者の希望、特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討したい」という考えも一理あります。

 

また、少子高齢化が今後も進んでいく状況で、労働力不足を解消する働き手として、その経験や技術は貴重なものです。体力的に問題がなければ引き続き働くことを望む人がいて、それを必要とする企業があれば決して改悪とは言い切れません。でも一方で気になることもいくつか。

 

一つ目は、現時点では変更しないといっている年金開始年齢。定年年齢と年金開始年齢は今まで連動して引き上げられてきた経緯があります。今回もすぐにとはいかないまでも、いずれは年金開始年齢の引上げがその背後に隠されているように思えます。少なくとも現在でも一定の収入があれば年金が減額される「在職老齢年金」の仕組みが何らかの形を変えて併用されるはずです。定年年齢の引上げと年金が全く別問題とは考えられないだけに、今後どうなるのかとても気になるところです。70歳年金開始とすることで国の負担を軽減したいというのが本音ではないでしょうか。

 

それともう一つ、少子高齢化で新たに社会に入ってくる人は今後どんどん減少していきます。が一方で非正規雇用として働いている人が全被用者の4割近くいるというのも現実。もし、高齢者が正社員としての待遇で引き続き残るとした場合、非正規雇用の人達の仕事の場や待遇の向上、正規化への機会を奪ってしまうことにはならないでしょうか。少なくとも同時に議論してほしいものです。

 

現在の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳。仮に70歳定年となったとしてもなお11~17年の余生が平均として残されていることになります。これを「まだ」、あるいは「たった」と感じるかは人それぞれ。人それぞれであるならば、健康面や精神面の一定条件が求められる職業は別として、いっそのこと定年という仕組み自体が不要なのかもしれませんね。

 

 

2018年10月24日 14:49

民間はアウト、国はセーフ

真如堂にて(20181023)

もう呆れてしまいます。この国の劣化がどんどん進んでいるようにも感じてしまいます。

 

8月に表面化した国の行政機関の障害者雇用の水増し問題、昨日第三者機関の調査結果が発表されました。問題が表面化した時の行政側の言い分は「故意か誤解は今の時点では断言できない」でしたが、調査結果では「恣意的」、つまり好き勝手に自分の都合のいいように解釈していたと厳しく批判されました。

 

障害者手帳を持っていない人や既に退職した人、そもそも採用していない人や、もっとひどいのは亡くなった人も計上していたということですが、もし民間企業がこんなことをして報告していたら一発アウト。というよりそもそもこんな根拠のない数字で報告はしない、できないはずです。そういった数字が各行政機関の中でチェック機能が働くこともなく報告され続けたことが驚きです。ちなみに民間企業であれば障害者雇用率が未達成の場合には一定の納付金を納めなければなりません。行政機関には適用されないとのことですが、よく考えればこれも不公平感があります。

 

国民や企業に一定の負担を求める国税庁で最も水増し率が多く、或いは障害者雇用の旗振り役であるべき厚生労働省では、障害者雇用率は達成しているものの水増しがあったとのこと。これで「税金を払ってください」とか、「障害者雇用を積極的に」というのはどうなんでしょうか。

 

今の現状を解消するため、政府は今後4,000人を新たに雇用するとのことですが、今まで本来採用されていたはずの累積人数と比較すればそんなに評価される数字ではありません。さらに言えば、障害者の人に代わって採用されていた人数がそのまま残ったとすれば、人件費として税金が二重に支出されることになります。この点はどうなるのでしょうか。

 

いずれにしても、民間はアウト、国はセーフという制度ってあっていいのでしょうか。これが最大の疑問です。

 

 

2018年10月23日 07:16

職場で休憩時間を正しく取れていますか

栄摂院(20181022)

皆さんの職場では「休憩時間」を正しく取れていますか。会社や職場の管理者が正しい知識を持っていないと、もしかしたら違法状態が職場ルールとなっている可能性があります。今日は休憩時間について少し考えてみます。

 

休憩時間については、まず事業主が与えなければならない時間が労働基準法第34条で定められています。付与する時間は労働時間に応じて3つのパターンがあります。

➀労働時間が6時間以内➡休憩時間を付与する義務はない(与えることは構わない)

②労働時間が6時間を超え、8時間以内の場合➡少なくとも45分の休憩時間を付与しなければならない

③労働時間が8時間を超える場合➡少なくとも60分の休憩時間を付与しなければならない

これは最低条件となっているので、就業規則等でこれ以上の休憩時間を規定することは何ら問題ありません。世の中の多くに企業では1日の労働時間を8時間と定めているので、休憩時間は1時間ということになります。休憩時間は正社員だけでなく、パートやアルバイトであっても与えなければなりません。

 

そして、この休憩時間については次の3原則も守らなければなりません。

❶休憩時間は労働時間の途中に付与すること

休憩時間はあくまでも労働時間の途中で与えなければならず、最初に1時間、あるいは最後に1時間という付与は違法になります。就業前や就業後の休憩ではその意味がありませんよね。

❷休憩中は労働から解放されていること

おそらくこれが法律通りとなっていない職場が多いのではないでしょうか。「休憩時間は労働者の自由に利用させなければならない」と規定されています。よくあるケースが昼食時間であっても、電話番や来客対応で職場に残らなければならいといったケース。もしこれが半ば常態化していると労働時間とみなされる可能性があります。ただし、休憩時間を自由に利用できるのであれば、社内からの外出を制限することは必ずしも違法にならないとされています。【昭23.10.30 基発1575 号】

❸休憩は一斉に付与すること

休憩時間は全員一斉に付与することとされています。例えば自分が休憩していても、隣の籍の人が仕事をしていては休憩を取得した気になれませんよね。ただし、法律で定めれた一定の業種や労使協定を結んでいる場合には、交代制による取得が認められています。

 

最後に休憩時間についてよく受ける質問。休憩時間は②および③の時間を与えれば、小刻みに付与しても問題はありません。例えば昼食時に45分、午後からの途中で15分のお茶休憩という取り方も可能ということです。また、残業時間中は何時間働こうがその途中に休憩時間を与える必要はありません。ただし、残業開始前に15分とか、3時間を超えたら15分といった社内ルールを定めているところが多いのではないでしょうか。

 

休憩時間は、疲労を回復することで労災事故の発生を防止するという面でも必要なものです。もし、ここに紹介した事項が守られていないのであれば、会社の総務や労務担当者に相談されてはどうでしょうか。

 

 

2018年10月22日 12:09
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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