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転ばぬ先の杖

吉田神社
朝日新聞・京都版12月27日の記事に、京都の今年1年を回顧するという特集があり、その中で京都市への文化庁移転が正式決定したことが書かれていました。場所の是非はともかく、ふと思うに、いろいろ候補はありましたが省庁の地方移転で具体化したのはこの文化庁だけで、本来の目標からは程遠い状況です。
遅々として進まない理由の一つに、「分散化することでリスクマネジメント上の障害になる」という官僚の言い分があるようです。今は、霞が関を中心とする首都圏に集まっていることで、何かあってもすぐに連携できるということなのでしょうか。
でも、逆に見方を変えると、集まっていること自体が有事の際には「リスク」であり、地方分散することが「リスクマネジメント」ではないかと考えます。10年前ならともかく、これだけ高度情報インフラが整っている中で、物理的な距離はさほど障害にはならないはずです。
民間では、事業継続計画(BCP計画)として、自然災害等が発生した際の対策を大手企業では60%の企業が作成しています(内閣府の「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」(2015年度)より)
例えばJR東海では、新幹線の運行管理を平時は東京の指令所で行っているのですが、まったく同じ仕組みのバックアップを大阪に置いているのは有名な話です。

「転ばぬ先の杖」をもっと真剣に考えてほしいものです。
※写真は吉田神社(京都市左京区)

2016年12月29日 06:21
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ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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