家計にとって、値上がりするものばかりではありません
昨年の交通事故における全国の死亡者数が67年ぶりに4,000人を割りました。私が子どもの頃、「交通戦争」と呼ばれた1970年代の16,000人台と比べ、約4分の1になったことになります。原因は、車の安全性能の向上や、飲酒運転を初めとする交通違反時の厳罰化が功を奏しているようです。
交通事故の減少は、保険金支払いの減少にもなり、その結果今年4月から自賠責(自動車損害賠償責任保険)の保険料が引き下げられることになりました。自賠責とは車やバイクを持っている人は加入が義務付けられている保険で、購入時または車検の際に、次の車検までの期間(1~3年)の保険料を一括して払っています。保険料の引き下げは9年ぶりで、全車種の平均で6.9%の引き下げです。では実際にどれくらい下がるかというと、2年契約の場合で、一般の自家用乗用車が2,010円下がって25,830円、軽自動車が1,300円下がって25,070円となります。ちなみに支払われる保険金は、高度障害が残った場合で最高4,000万、死亡の場合は最高3,000万円が支払われます。
なお、自賠責からの保険金額だけでは賠償額が不足することが多く、大抵の人は任意保険(自動車保険)にも加入しています。加入はあくまでも任意ということで、加入率は約80%程度(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」より)ですが、この任意保険についても損害保険会社が保険料の引き下げを検討することになりました。なお、いつから引き下げとなるか、現時点では未定です。
保険料の支払いが引き下げになるのは家計にとって朗報ですが、保険を使わないことが一番です。
※写真は京都国立博物館(京都市東山区)
自賠責保険の保険料引き下げに関する金融庁の資料はこちら
2017年01月21日 08:05