何がしたいのか、どうしてその企業なのか
私はいわゆる「バブル期」と言われる昭和63年に就職活動をしました。会社説明会の段階から交通費が支給され、テレホンカードや会社の商品等のグッツが配られ、解禁日には内定拘束(内定者をホテル等に集めて他社の説明会に参加できないようにする)なども当たり前のように行われる、この時代の就職活動を題材にした映画まで作られたほどです。
やがてバブルははじけ状況は一転しました。リーマンショックの前年から、私は採用する側の人間として学生と向き合いました。バブル期には「採用される側」として、リーマンショック以降は「採用する側」としての経験を考えあわせてみると、単に就職率という数字だけでは計れないものがあると感じます。
それは、今の企業が学生に求める基準(クオリティ)が高くなっているということです。単に成績や人柄がよいとか、根性があるとか、体育会系だからというだけではなく、仕事や企業に対する考え方や熱意を見たり聞いたりして、学生の本質を見て評価するようになってきています。またバブルの頃は「採用人数の確保」が優先されていましたが、今は「学生の質」が優先されています。学生から見て、単に内定率がいいから就職できるだろうという安易な考えは危険かもしれません。
これから就活を始める学生のみなさん、まず自分がどんな仕事をしたいのか、どうしてその企業でその仕事がしたいのかをしっかり分析してください。それがしっかりしていれば、どんな質問が飛んできても自分の言葉で答えることができるはずです。
※写真は清荒神別當 護浄院(京都市上京区)
「平成28年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)について」に関する厚生労働省の資料はこちら
2017年01月24日 04:31