思い込み退職をしていませんか
ところで、自分から退職を申し出たらすべて自己都合退職というわけではありません。例えば、以下のような理由である場合には自分から退職しても会社都合退職となります。
①自己責任でない解雇
②実際の労働条件が採用時に受けた条件と著しく不一致している
③賃金が2か月以上未払いとなった
④賃金が著しく低下した
⑤離職前に3か月継続して36協定で定めた基準を超える超過勤務があった
⑥離職前6か月以内に100時間を超える時間外労働があった
⑦離職前6か月以内に継続する2か月の時間外勤務が平均で80時間を超えた
⑧危険または健康障害を生じるおそれがあり、行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業主が必要な措置を講じなかった
⑨配置転換や職種変更に際して職業を継続するに必要な措置を事業主が講じなかった
⑩事業主からの退職の強要
⑪上司、同僚からのパワハラ、セクハラ、いじめ等で正常に就業できなくなった
⑫会社都合による休業が継続3か月以上となった
⑬業務内容が法律に反している
この条件に1つでも該当すれば、会社都合退職に該当し「特定受給資格者」となります。特に⑤~⑦や⑪に該当する人は意外にいるのではないでしょうか。
企業側は雇用保険からの助成金を受ける際の条件から外れてしまったり、あるいは採用時に応募者に与える悪影響を避けるため、できれば会社都合退職ではなく自己都合退職として処理したいのが本音です。また、労働者側も、自分から辞めるのだから自己都合退職と思いこんでしまいがちです。もらえる基本手当の日数が大きく変わってきますので、退職時には注意が必要です。
また、上記の条件以外でも認められる場合があるので、少しでも疑問があればハローワークで相談してみてください。
※写真は南禅寺境内にて(京都市左京区)
2017年01月27日 05:09