本当のリスクは内(うち)にあり
2011年の東日本大震災でこの国の原発事業は大きな傷を残しました。数年どころか、数十年単位の時間と、その回復のために巨額の国費が費やされます。この現状を見れば、もうそろそろ国も事業者も、国内外にかかわらず、新たな建設に関するコストを既存の原発を閉じるための、あるいは再生エネルギー等の転換にかかわる費用に向けるべきではないかと思います。
確かに、日本のような資源のない国が、海外にガスや石油等のエネルギーを依存することは、輸入に伴うリスクや、地球温暖化の問題もありよろしくないのかもしれません。「ジャパンプレミアム」ともいわれる高い価格でも輸入せざるを得ないため、国内の経済に悪影響が出ることもあるでしょう。でも、福島の現状や、世界の流れから、そのリスクはみんなで共有しないといけないのかもしれません。
日本人は順応性に優れています。駅や地下街などの公共施設の照明がかつてより暗くなっても、オフィスで昼休みに消灯されても、冷暖房の温度設定が変わっても、臨機応変に対応しています。みんなが少しづつ我慢をして、工夫をすればリスクを小さくできるのではないかと思います。
ただ、残念なことに原発事業には国や事業者のいろいろな思惑が複雑に絡んでいます。実はこの国にはそれが一番のリスクなのかもしれません。
※写真は通称「くろ谷さん」こと、金戒光明寺の山門(京都市左京区)
2017年02月03日 04:32