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マイナス金利のマイナス面

京都産業創造会館
日銀がマイナス金利政策(簡単に言うと日銀が市中の銀行からお金を預かる際に、利息を払うのではなく、逆に預かり手数料を取ること)を昨年1月に導入してから1年、その功罪はどちらが大きいのでしょうか。
大手生命保険会社の日本生命が、今年4月から一部商品の保険料の値上げを発表しました。一部商品とは、貯蓄性がある商品、例えば終身保険や個人年金保険といった私たち契約者が支払った保険料以上に、受け取る保険金が多くなる商品です。すでに現在加入している契約は変わりませんが、4月から新たに加入する契約の保険料が値上がりします。
では、ここで「なぜマイナス金利が保険料の値上げにつながるのか?」というギモンが出てきます。保険会社は契約者から受け取った保険料をさまざまな方法で運用し、そこで出た収益を基に保険金を払ったり、事務コスト等に充てています。その投資先の一つが今回のマイナス金利を影響を受ける日本国債で、中でも保険会社は超長期国債といわれる20,30,40年物を多く購入しています。超長期国債を購入するのは銀行等の他の金融機関も同じですが、保険会社の終身保険や、個人年金保険といった商品は保障期間が長期になるため、その分のリスクが銀行に比べて大きくなります。期間が長くなるということは、保険会社から見ると、その間に起きるリスクも多くなる可能性がありますし、マイナス金利の影響を受ける期間も長くなるということです。昨年10月に同じく大手の明治安田生命が学資保険の新規販売を中止しましたが、こちらも原因は同じです。当然のことですが、この大手2社にとどまらず、今後同様の保険会社が出てくると思われます。
最近は、5年とか10年といった比較的短期の定期保険が主流になりつつあります。定期保険は保険料は掛け捨てで保障期間も短いため、マイナス金利の影響は小さく、保険料への影響は少ないものと想定されます。また、定期保険は終身保険にくらべ保険料が割安なため、加入を検討するのもいいかもしれません。ただし、終身保険と定期保険のメリット・デメリットの比較・検討も忘れないでください。

マイナス金利の功罪は、これからじわりじわりと私たちの生活に影響を及ぼしてきそうです。
※写真は京都産業創造会館ビル(京都市上京区)


2017年02月04日 08:12
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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一柳 賢司

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