英語教員に限った話ではありません
「英語教員、TOEIC“合格”2割 京都府中学「資質」はOK?」
地元の京都新聞の10日のニュースタイトルです。内容を一部抜粋すると、「京都市を除く中学校の英語科教員で、本年度に英語能力試験TOEICを受験した74人のうち、府の教育委員会が目標として課した英検準1級に相当する730点以上を獲得したのは16人で、約2割にとどまった。また、最低点は280点で、500点未満も14人いた」という内容でした。
これってどうなんでしょうか。点数だけみれば確かに英語教員がこれではだめだろうということも言えます。ただ、教員のレベルを見るのにこのテストでいいのか、点数の基準は何なのか、といったことがわかりません。また、求めている「資質」って何なのかもわかりません。先生を擁護するつもりはありませんが、このテストだけで、教員の資質を問われるのは少し気の毒な気もします。教員は学問を教えることだけが仕事ではないのですから。
また、今の義務教育で教える英語のレベルってどこまでなのでしょうか。もちろん、教える立場の人が基準スレスレでは困りますが、すべての教員にネイティブイングリッシュを求めるのは、そもそも先生たちが受けた教育水準から無理があるのではとも思います。
教員は難しい採用試験をパスし、一定の資質をもっている(いた)でしょう。しかし、世の中に資格試験や採用試験はごまんとありますが、残念ながらほとんどの試験の合格者は合格した時点で目標達成、勉強終了となります。その後にそのレベルを維持している人がどれくらいいるでしょう。ただ、少なくと教員採用試験に合格された人はそれでは困ります。それを職業にして、かつ人に教える立場である以上、技量は保持どころか向上していただかないと困ります。
これは京都府の英語教員だけでなく、すべてのプロに共通する宿題ですね。
※写真は貴船神社・奥の院の狛犬(京都市左京区)
2017年02月12日 08:06