育児休業を有効に使うにはどうすればよいでしょう
ところで、育児休業・介護休業法は2004年に大幅に改定されて、1歳6ヶ月までの育休期間延長措置、介護休業の取得回数制限の緩和、子の看護休暇創設などが盛り込まれました。これらの法律に合わせて社内規則が作成されている企業も多いのですが、実際に働く女性にとって難しいのは、育児期間中の働き方、会社での立場であることが多いようです。産前・産後休暇はまず継続した一定期間の休暇が前提となっているので、職場との兼ね合いはあまり考慮することなく休めます。しかし、育児期間中はすでに職場復帰をしていることが多く、また休暇も突発的に発生するケースが多いことが大きな負担になります。突発的な休暇が続くことで職場や仕事に責任を感じ、メンタル面で病んでしまうケースもあります。
では、会社や職場はどうしたらよいのでしょう。ひとつに規則だけではなく、しっかりとした運用マニュアルといいますか、フォローできる体制を決めておく必要があります。経営者や管理者は、「誰かがフォローしてうまくやってよ」という抽象的な指示ではなく、あらかじめサポートできる仕組みをつくることが、育児休業を取得する社員だけでなく、周りの社員に対しても働きやすい職場となるのです。過度に周りに配慮することなく、スムーズに仕事の引継ぎや復帰ができる、フォローした側も納得ができる職場の雰囲気づくりが必要です。ただし、取得する側も「制度だから取得して当然」とか、「仕事だから誰か引き継いでよ」という一方的な考え方や態度では職場を壊してしまいますが。
女性社員を採用し、活躍ができる会社・職場とするには、育児休業や介護休業が実際に運用できる仕組みと、経営者から社員まで全員が理解しあう気持ちが大切です。
※写真は鞍馬寺山門(京都市左京区)
2017年02月17日 05:38