社会保険の適用が拡大されます
まず「短時間労働者」の定義ですが、勤務時間・勤務日数が常用労働者の4分の3未満で
①週の所定労働時間が20時間以上あること
②雇用期間が1年以上見込まれること
③月額の賃金が8.8万円以上あること
④学生でないこと
の4つの条件を満たすこととされています。昨年10月の拡大では、被保険者数(=厚生年金や健康保険に入っている人)が常時500人以上の企業に勤める短時間労働者が対象でした。これが今年の4月からは500人以下の企業にも適用されることになるのです。ただし、必ず対象となるわけではなく、労使合意が必要になります。労使合意とは、従業員の過半数で組織する労働組合がある場合にはその組合との合意、組合がない場合には、労働者の過半数を代表するものとの合意、もしくは労働者の2分の1以上の合意のことです。
昨年10月の拡大の際、今まで払っていなかった保険料を支払うことで手取り賃金が減ることを避けるために、労働時間をあえて減らすという声がテレビニュースで取り上げられていました。確かに労使双方とも保険料の負担というデメリットはありますが、厚生年金の対象になること、被扶養者では受けられない健康保険の給付(傷病手当金や出産手当金)を受けられるというメリットもあります。
メリット・デメリットの考え方は人それぞれですが、最後の判断は労使合意に委ねられています。企業としては、福利厚生の充実、労働者は万が一の備えという観点で考えればメリットは大きいのではないでしょうか。
※写真は貴船神社境内にて(京都市左京区)・・・絵馬発祥の地
「事業者の皆さまへ、短時間労働者に対する厚生年金保険等の適用が拡大されています」 厚生労働省のリーフレットはこちら
2017年02月28日 07:50