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IT業界が変われない理由

下鴨神社
日経コンピュータ(2/28版)の記事の一部がネットニュースに掲載され、そのタイトルが目に飛び込んできました。
「過労による精神疾患でワースト1、IT業界が変われない理由」
私も長年、IT業界に身を置いた人間として、非常に興味深くこの記事と、記事についていた多くのコメントを読みました。2016年9月に過労自殺と認定された電通社員の一件をきっかけに広告業界の長時間労働が明らかになりましたが、IT業界はもっとひどいという労働基準監督署長のコメントもありました。
コメントの内容は賛否両論ですが、記事自体は2つの点について、少なくとも私自身の経験と重なる部分があります。
一つ目は、雇用主つまり会社が労働時間の管理ができていない(難しい)ということです。IT業界は構造的に請負が多く、下請会社の労働者は客先常駐するケースがほとんどです。私自身も会社員時代の8割近い時間を客先で過ごしました。客先常駐している場合、契約形態によっては客先に労働時間を管理する義務がなかったり、あるいは仮に管理義務があっても顧客に労働時間についての注文を言いにくい、という点で労働時間が青天井になります。適正な労働時間が管理できないということが労働者にとって大きな負担になります。
二つ目はスキルミスマッチ、スキルに合わない作業を担当せざるを得ないことで精神的に疲弊していくというものです。記事に紹介されていた原因としては、客先常駐を経験の少ない若手社員数人だけ、あるいは一人だけで任され、知っている社員もいないし、まして客にも聞けないという環境でどんどん追い込まれていくというものです。しかし私の経験ではこのケースにはもう一つ原因があります。それは、ミスマッチであることを知っていながら、会社の収益を優先する為に無理に受注し要員を派遣するというケースです。ひと昔前なら、現場で勉強しながらでもできたのですが、ITスキルが高度化し、短い納期で高い品質を求められる現在ではこの開発手法は難しくなってきています。汎用機時代の開発手法や考え方との乖離を認識できていない経営手法では、社員は疲弊していくだけなのです。

昨日から就職活動も本格的にスタートしました。IT業界を目指す次世代の人が働きやすい業界であってほしいものです。
※写真は下鴨神社にて(京都市左京区)


2017年03月02日 07:49
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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