冬の風物詩
私の自宅から歩いて10分ほどのところに鴨川が流れています。京都を舞台にしたサスペンスドラマでは、必ずといっていいほど利用される撮影スポットです。
その鴨川には実に多くの種類の野鳥がいます。アオサギ、コサギ、カモ、セキレイ、カワウ、カワセミ等々、その中で毎年11月末ぐらいから春先まで見られる鳥がいます。このブログの写真にも何度が登場しているユリカモメです。毎年晩秋から初冬にかけてシベリアのカムチャッカ半島から越冬のために鴨川にやってきます。秋にユリカモメを見ると、「冬が来たなぁ」と地元の人は感じる、京都の冬の風物詩です。
ユリカモメは昼間は100~200羽前後の群れで鴨川のあちらこちらで見ることができます。野生とはいえ、警戒心があまりなく、人が近づいても逃げることはありません。近所の人がパン等の餌を与えている光景もよく見かけます。そして、夕方になるとねぐらとなる琵琶湖へ移動するのですが、このとき空中の一か所に集まって大きな群れとなることがあります。私も何度か目にしましたが、大きな渦のようにぐるぐる回りながら徐々に高く上がっていく群れに夕日が当たってキラキラと光る光景には感動すら覚えます。ただ、最近は琵琶湖に戻らずそのまま鴨川に残っている群れも見かけます。
平安時代には都鳥とも呼ばれていたユリカモメですが、今のように毎冬見られるようになったのは、1974年(昭和49年)以降です。一時は数千羽が飛来していたのですが、最近はめっきり数が減ったと感じます。年による変動はあると思いますが、こういったところにも気候や自然環境の変化が影響しているのでしょうか。
昨日夕方に鴨川沿いを歩いたときには一羽も見かけませんでした。今年はもう渡ったのかもしれません。さて、11月に戻ってくるまでには世の中でどんなことがあるのでしょうか。
※写真は夕方に集まるユリカモメの群れ(2008年11月30日撮影)
2017年03月05日 07:49