休憩時間は無視できません
「途中の休憩時間は要らないので、その分早く帰ることはできませんか?」
こういった発言をする人の気持ち、わからない訳でもありません。「何か用事があって、早く帰りたい。でも休みを取るほどでもないし、やるべきこともあるので、休憩時間も仕事をして、1時間早く帰れれば」という考えから出た発言でしょう。こんな時どう答えますか?
これが日常的でなく、やむを得ない理由があってということであればまだしも、いつも特定の人が半ば常態化して言ってきたり、同じ職場で複数人の人が言い出したら大変なことになってしまいます。もとより休憩時間には法的な根拠があるため、申し出自体を受け入れる必要はないのです。
労働基準法第34条
使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない
このように法律で「労働時間の途中」に休憩時間を与えることが決められているため、これを「要らない」ということはできないのです。言い換えると、休憩時間を労働時間の後に与えるということもできないので、例えば8時間30分仕事をした後に60分休憩時間が設定されていて、そのまま終業ということもできません。
勤務時間(始業および終業時間)と休憩時間については、就業規則でも定めなければならない事項です。このような申し出があった場合には、まず就業規則に定めている時間で働かなければならないこと、あるいは労働基準法で休憩に関する規定があること、途中で取ることの意味などを説明して、理解を求めることも必要ではないかと思います。
2019年09月18日 07:01