長期修繕計画書を見たことはありますか
「住んでいるマンションの長期修繕計画書を見たことはありますか?」
長期修繕計画書とは、マンションの機能や資産価値を維持するために必要とされる修繕内容を、向こう25年から30年の期間で計画するものです。マンションはその構造や設備によって、耐久年数も異なります。必要に応じた修繕を定期的に行うためには、あらかじめいつどの部分の修繕を行うかを計画し、またそのためにどれくらいの費用が必要となるかを見積もりそのための準備(積み立て)をしておく、それが長期修繕計画書です。
マンションは大きく分けると、①外壁、②防水、③鉄部、④共用部、⑤設備に分類することができます。それぞれが更に詳細に分類されますが、その項目毎に耐久年数も異なります。よってそれぞれを計画に記載していくことになりますが、作成時点ではあくまでも将来予測であり、実際には利用頻度や様々な条件で経年退化の状況は変わってきます。そこで、長期修繕計画書は「一度作成したらお終い」ではなく定期的に見直すことが国土交通省が作成している、マンション標準管理規約にも明記されています。ここで目処とされているのが「おおむね5年程度ごと」、鉄部塗装などは5年ごとの実施が目安とされているため、このサイクルで行うのがベストと言えます。
さてこの長期修繕計画書、かつては「購入時に一度見たらあとは知らない」「そもそもそんなもの、うちのマンションにはない」なんてこともありましたが、今は前出のマンション標準管理規約の第32条で、管理組合が行う業務として明記されています。
第32条 管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、次の各号に掲げる業務を行う。
(一部省略)
三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理
十. 修繕積立金の運用
よって、長期修繕計画がないということはありませんが、見直しがおざなりにされていたり、修繕に必要な積立金が不足している可能性は少なからずあります。いざというときに「お金がなくて工事ができない」ということがないように、定期的に見直すことは必要です。また、あらかじめ修繕計画に定めた時期が来たけど、まだまだ使える、工事はいらないと言う場合には、先送りすることで積立金を有効に活用することもできます。そのためにも、計画もしっかり立てておくのがよいと言えます。
マンションの長期修繕計画書、今一度見直して見ませんか。
2019年10月21日 13:17