銀行での振込み、本人確認はいる、いらない?
その根拠になってるのは、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」、略して「犯罪収益移転防止法」と呼ばれる、ちょっとコワい名前の法律です。この法律の目的は犯罪者集団やテロ組織が、犯罪絡みの汚れたお金を銀行等の金融機関を経由することで綺麗なお金にする、いわゆる「マネーロンダリング」を防いだり、資金流入を防ぐことにあります。この法律が昨年10月に改正されて、本人確認が厳格にされるようになったのです。
例えば銀行で口座を作成する場合、改正前は本人確認ができる書類が一つでもあればOKでした。しかし、昨年10月以降は運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど「顔写真付きの本人確認書類」であればこれだけでOKですが、健康保険証や年金手帳などの「顔写真のない本人確認書類」である場合は、他の本人確認書類を提示するなどの追加の提示が必要になっています。
なお、本人確認が求められるケースとしては以下のようなものがあります。
金融機関等 預貯金口座などの開設
200万円を超える大口現金取引
10万円を超える現金送金
クレジットカード会社 クレジットカード契約の締結
宅地建物取引業者 宅地建物の売買契約の締結またはその代理もしくは媒介
※警察庁の「犯罪収益移転防止法」より一部抜粋
今の時期は、大学や高校の入学金・授業料を現金で振り込む場合、結構な金額ですよね。これらは、本人確認を求められるでしょうか?
答えは「不要」です。金融機関の店頭での以下の振込については、昨年10月の改正で逆に簡素化されて本人確認が不要になりました。
公共料金:電気、ガスまたは水道水の料金
入学金等:入学金、授業料その他これに類するものの支払いに係るもの
法律の目的から厳格化されるのはやむを得ないですね。ただ、免許証もパスポートも持っていない人、結構いますよね。マイナンバーカード普及にも多少影響があるのでしょうか。
※写真は緑の館【歴史的意匠建造物・登録有形文化財】(京都市中京区)
「犯罪収益移転防止法」についての警察庁の資料はこちら
2017年03月17日 05:41