久しぶりに見た新聞の折り込み広告
それは、分譲マンションのモデルルームオープンとマンションの建設についてのもの。4~5年ぐらい前までは、週末ともなればいくつもの広告が入っていたものですが、最近はいつ入っていたか記憶にないほど。ついついその気も無いのにじっくり見入ってしまいました。でもなぜこんなにマンション販売に関する広告が減ったのか、ちょっと調べてみると、その答えは意外にも京都市のホームページにあった資料の中にありました。
その資料とは京都市総合企画局情報化推進室統計解析担当が作成した「新設住宅着工の動向について」というもの。作成されたのは平成29年と少し古いのですが、そこに分譲マンションの着工戸数と宿泊業,飲食サービス業用建築物の着工建物数の推移が掲載されています。分譲マンションは平成26年の2,026戸をピークに、平成29年は1,272戸と6割程度に減る一方で、宿泊業,飲食サービス業用建築物は平成26年には50件弱だったものが平成29年には250件超と5倍に激増しています。察するにこれは今や市内のあちこちに見られるホテルや民泊施設の建設によるもの。京都市内では新築マンションが手に入りにくくなっているというのももっともです。若年層の人口流出が止まらないのも、原因はここにあるんでしょうか。
供給数が減っていることもあり、その広告のマンションの価格は結構なお値段でした。高くなればますます若い世代には手が届きません。価格は需給バランスで決まるとは言え、その発端が宿泊業,飲食サービス業用建築物の建築増加によるものだとすれば、何とも皮肉なことです。多くの観光客が訪れることが、市民の日常生活に影響を与えたり、回り回ってそもそもそこに住むことができない、そんな影響が少しづつ出てきているように思います。
もっとも土地の所有者からすれば、一度販売したら終わりのマンションより、長く収益を生み出す宿泊業,飲食サービスの施設の方がいいのでしょう。やむを得ないんでしょうかね。
2019年11月19日 18:49