理想と現実のジレンマ
「法律はそうまもしれないけど、そんなことはできない」
「〇〇さんにはそこまでする必要はない」
顧問先企業さまではありませんが、スポットで紹介あるいはご相談いただたオーナー様と話していると良く出てくる言葉です。例えば、最近では有給休暇の取得義務化であったり、時間外手当の支払いであったり、時には最低賃金に関わるようなこと。本来であれば付与したり、あるいは払わなければならないものをしない、あるいは経営上難しいということを理由にできないということです。
こういったことに直面したとき、我々は法的に会社や事業者にはそうすべき、あるいは守るべき義務が法律で定められていることや、あるいは守らなければ起きうる不利益を説明し、そうしてもらえるようにご説明をします。ただし、最終的にするかしないかを決めるのは事業主であることも事実です。給与を払うのは事業主であり、また有給休暇を与えるのも事業主であるからです。私たちの立場でできることではありませんし、していないからと言ってそれを公にすることは顧客の利益に反することになりできません。私たち専門家にとって、残念ながらどうすることもできない、ジレンマとも言えます。
少しでも分かって頂けるように、しっかり説明をすることが私の仕事なのですが、それができないとき、何とも言えない無力感を感じてしまいます。ただ一方で説明をしたにもかかわらず、何もされない場合にはそれ以上関わらないという自己防衛も必要です。「なんで言ってくれなかったの」とならないよう、手渡した資料などをキチンと訪問メモとともに記録し、メール等も残しておく様にしています。
理想と現実のジレンマ、何も私たちの仕事に限ったことではありませんが、難しいことですよね。
2019年12月03日 13:00