結局誰も責任を取っていない?
「電通、「有罪」後も違法残業」
電通で過去に起きた過酷な超過勤務による女子社員の自殺、皆さんはまだ記憶残っているでしょうか。このブログでも有罪判決が出た後に雑感を綴っています。(2017.11.29「電通に関する2つの報道から」)
あれだけ世間から非難され、有罪判決が出されたにもかかわらず、その後も違法残業が繰り返されていたという今回の報道、あまりにも杜撰といいますか、法令遵守の意識の欠如に呆れてしまいます。今回も労度基準法および労働安全衛生法違反として所轄の労働基準監督署に是正勧告を受けたということです。
前回の問題が起きるまで、おそらく連綿として当たり前のように超過勤務をしてきた企業体質は、そうそう簡単には改められないのでしょうか。一時オフィスの電気を一斉に消灯して、帰宅を促すというような試みがあったように記憶していますが、もしかしてあれは対外的な、マスコミ向けのアピールだったのかと思うと、企業としてのモラルすらもう失われているのではないかと思います。
おそらく今回表に出たのは氷山の一角、そもそもこういったことが繰り返される企業ではまだまだ表に出ていない事例もあるのではないでしょうか。ただこれは何も電通に限ったことではありません。それは一昨日の「理想と現実のジレンマ」でもお話したとおりです。ただ、「なんとかしたいけどできない」と「分かっているけどそもそもする気が無い」のとでは、どちらも決して肯定できませんが、ベクトルの方向は真逆だと思います。私がもし顧問先として選ぶならいうまでもなく前者、こういった事業主さまとなんとか改善できる道を探したいものです。
今回の電通の是正勧告は、前回のときに現場にはお咎めなしとなったことが起因しているように思います。今の法律の限界なのかもしれませんが、誰も責任を問われないということであれば、また繰り返されるだけなのでは。
2019年12月05日 12:15