最低限のモラルも守れない
「飲食店の無断キャンセルの損害額が2,000億円にもなっている」ということ。
皆さんもお店の事前予約、したことがないという人はいないでしょう。以前は電話予約しかできませんでしたが、今はネットを利用して簡単にすることができます。が故に安易に「取りあえず場所だけ」とか「この店人気があるから早めに抑えないと」ということで予約をして、ダブル・トリプルブッキングをして当日には忘れていた、あるいは「席だけだから影響はないだろう」とキャンセルを入れない、ということが多いようです。席だけであってもお店としては一定時間その席を空けて待っているわけで、キャンセルであれば他の客に利用できた席、損害が生じていることには変わりはありません。
番組内ではもっとひどいケースで、団体客でコース料理まで準備していながら無断キャンセルされたケースが取り上げられていました。ちょっと信じられないようなことが今は普通に起きているのです。予約というのもれっきとした契約であり、この時点でお店にはサービスを提供する義務が、お客は代金を支払う義務が生じています。そのため一方的な無断キャンセルは法律行為の不履行となり、相当額の損害賠償の義務が生じることをあまり意識している人は少ないのかもしれません。
私の顧問先であるお店でも最近同様のことがあり、10万円近い損害が出たということを聞きました。弁護士に相談すると「電話番号から相手を特定して、示談や法的な手続きを取ることは可能」とのことでしたが、余計な時間を取られることもあり諦めたとのことでした。
「約束を守るという最低限の社会のモラルが守れないということに腹が立つ。受けた損害より、そのことの方が虚しいし、信用商売が成り立たなくなる」
そのときオーナーが言われた言葉、この問題の最たるところではないかと思いますが、いかがでしょうか。
2019年12月14日 10:28