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労災認定のハードルが下がります

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安倍首相が進める働き方改革の中で、働き方の多様化という面で副業や兼業を推進しています。実際、容認する大手企業も出てきており、今後さらに増えると想定されています。そんな働き方に対応するため、先日厚生労働省は労災認定について見直しの方針を固めました。

審議会で了承されたのは、労働時間を通算して労災認定をするということ。今まで複数の企業で勤務していた人の残業時間を計算する場合、それぞれの残業時間で判断されていました。これが今後は合算して判断されることになるため、残業時間のハードルが大きく下がることになるのです。例えば、法定労働時間が160時間の月に、本業での月間勤務時間が160時間、副業で100時間とすると、それぞれ法定労働時間に収まっており、残業時間は0時間となります。これが合算して判断することになると260時間となり、残業時間は100時間となり、労災認定でいう過労死ラインに該当することになるのです。今後法律改正を行い、早ければ2020年にも施行されるとのことです。

政府としては副業や副業を推進する以上、そのセーフティネットも準備する必要があり、今回の認定基準の見直しは必要な改正とも言えます。残業時間だけでなく、給付を受ける時に前提となる給付日額も、複数の企業で受ける賃金を合算して決定するということになります。実際に労災認定をしたり、給付額を決めるのは行政がすることですが、企業側としては、今後副業・兼業をする社員の労務管理については配慮が必要になりそうです。

フルタイムで働く社員で相応の賃金を得ている人が、副業・兼業をすることはそうそうないかとは思いますが、総務省の調査では130万人近い人が複数の職場で仕事をしているという結果も出ています。特にパートやアルバイトとして働いている人の労働時間の把握について、なんらかの対応が求められることになりそうです。

 

2019年12月18日 07:49
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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一柳 賢司

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