社員代表の選び方、間違っていませんか?
労使協定書はその名の通り、労働者と使用者双方が署名することが必要です。使用者は会社の代表である社長や、個人事業主が該当しますが、さて労働者代表は誰がどのように選んだ人でしょうか。もし、「社長が選んだ人」とか、「相応の年次の人が持ち回りでやっているみたい」といった人が該当すれば、労働者代表としての要件を満たせない可能性が高いと言えます。
労働者代表を選ぶにあたってのポイントは3つ
①管理監督者でないこと
②何のために選出するか(例えば36協定書に署名するなど)を明示して実施する投票や挙手などの民主的な方法によって選出されたこと
③使用者の意向によって選出されたものでないこと
が必要です。先ほどの「社長が選んだ人」は③に反することになり、「相応の年次の人が持ち回りでやっているみたい」であれば②に反することになります。いずれにしても要件を満たしているとは言えません。
もしこの要件をみたさない労働者代表が署名した36協定が労働基準監督署に届出されたとき、受理されないということはありません。なぜなら労働基準監督署では、都度そこに署名している人の要件までチェックするほどのマンパワーも時間もないためです。となると何が問題になるのか、届け出ているこの労使協定はそもそも無効ということです。労働基準監督署が受け付けた労使協定は、そこで有効(合法)ということではなく、あくまでも届出を受理しただけです。もし、この労使協定に基づいた時間外労働や休日労働について、それが合法か違法かと問われるようなことが起きた場合、そもそも労使協定に効力がなければ「違法」となってしまうということです。
たかが労働者代表といって、適当に選任していると、後でとんでもないしっぺ返しが来るかもしれませんよ。
2020年01月15日 18:50