管理監督者の勤務時間には注意
労働基準法第41条では、次に該当する人については、労働時間、休憩及び休日に関する規定を適用しないと定められています。
①別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者→農水産業に従事する人
②事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
③監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
これにより、管理監督者については時間外労働や、割増賃金の規定が適用されないため、課長や部長といった一定以上の役職者には「残業手当が支給されない」という会社は多いかと思います。そこで間違った解釈がされることがあるのが、深夜勤務の取扱い。皆さんの会社では大丈夫でしょうか。
労働基準法では、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合、25%以上の割増率で計算した手当を支払わなければならないと定めています(第36条の4)。この規定は41条の②でいう管理監督者にも適用されるのですが、これを誤って解釈し、手当を支給していないというお話はしばしば耳にします。そのため、勤務表をチェックしていて、管理職に当たる人がその時間内に勤務している場合には、念のため確認をし、正当な労働時間であった場合には、深夜手当を計算しています。
仮に管理監督者には一切の手当を支給しない、という規定が就業規則や雇用契約書に記載されていても、その記載自体が労働基準法に違反している可能性があります。また、「管理職手当として相当分の手当を支給しているから」といった場合でも、それが深夜勤務何時間分に相当する手当なのかを明確にしていなければ要件を満たしているとは言えません。
管理監督者でも深夜手当は必要ということをお忘れなく。
2020年01月22日 16:21