令和2年度の年金額改定について
年金額の改定ルールでは、物価変動率と名目手取賃金変動率がともにプラスで、物価変動率が名目手取賃金変動率を上回る場合、受給給の年金額および新規で受け取る時の年金額は名目手取賃金変動率を用いて価格改定を行うこととされています。今回、物価変動率は0.5%、名目手取賃金変動率が0.3%となっており、名目手取賃金変動率の0.3%が改定率となるところですが、もう一つの調整率であるマクロ経済スライド率のマイナス0.1%を加味して、実際の改定率は0.2%となりました。
これにより国民年金(満額受給の場合)は、月額65,008円から65,141円へ133円のアップ、厚生年金の平均的な年金額は220,226円から220,724円へ458円のアップとなりました。低経済成長と少子高齢化の影響が色濃く反映される現在の改定ルールでは、年金額が大きくアップするということは難しいのでしょうね。昨年の消費税アップを織り込むと実質マイナスと言えるかもしれません。
一方で現役世代が支払う年金保険料については、名目賃金の変動に応じて改定される仕組みとなっています。令和2年度の保険料は元年度より130円引き上げられ16,540円、年間で1,560円の引き上げとなります。大手都市銀行に1,560万円の1年物定期預金をしたときに付く利息と同じです。金利があまりにも低すぎるのか、保険料のアップが大きいのか、いずれにしても負担はどんどん増えていくといった感じです。
ちなみに保険料は令和3年度には月額16,610円となることが決まっています。負担は増すばかりですね。
2020年01月25日 16:31