これも時代の一つの曲がり角
先日の新聞報道、全国のほとんどの店舗での営業時間の短縮を認めるとのこと。これにより、ファミリーマートは24時間営業の看板を下ろすことになるのかもしれません。
今は当たり前のコンビニの24時間営業が消費者にもたらすメリットは決して小さいモノではありません。バブル崩壊後から人々の働き方やライフスタイルが多様化したことによる様々なニーズにコンビニはこれまで応えてきました。24時間営業であることは言うまでもなく、ATMがあることで急な物入りに対応できたり、税金や年金保険料、公共料金がいつでもどこででも支払うことができ、様々なチケットの予約や受け取りもできます。数え上げたらきりがないほど、できることが増えてきました。
また、夜間は防犯という面でも、いざというときの駆け込み寺のような存在にもなっています。街の中でいつも明かりがついている場所がコンビニです。
ところが昨今は人手不足や、市場が飽和状態となったことで、24時間営業というビジネススタイルが難しくなったという話を聞くようになりました。働く人がいなければ営業できませんし、同じ地域に複数のコンビニがあれば、客の奪い合いとなって夜間から深夜にかけては客が来ないという悪循環。稼ぎもないのに人件費などの経費だけがかかるという状況です。
そこで今回のような営業時間の短縮は、ある意味ではやむを得ない、妥当な決定のように思います。コンビニ側の事情とは言え、いざ始まれば不便と感じるのは一時で、いずれは当たり前となって利用者も慣れるはずです。「コンビニは24時間営業」というのはあくあでも既成概念。新しいルールが始まればいずれ既成概念は置き換わります。
もし全国のコンビニが24時間営業を止めれば、どの程度の削減効果があるのかは分かりませんが、これによって節約できる電力とそれを生み出すために排出されるはずだった二酸化炭素を削減できることになります。もしかして私たちが身近に実現できる温暖化対策かもしれません。
後ろ向きの横並びは歓迎できませんが、前向きな横並びなら是非取り組んでいただきたいものです。
2020年02月08日 16:15