雇用契約書はよく確認しておきましょう
さて来月、新社会人となる人は会社と「雇用契約」を結ぶことになります。簡単に言えば、労働者は「労働力」を提供して、使用者はこれに対する「賃金」を支払うという契約です。契約は形式上、口約束でも成立するのですが、労働基準法ではこの雇用契約で必ず明示しなければならない事項(絶対的明示事項)と、定めがあれば明示する事項(相対的明示事項)、そして必ず書面で明示しなければならない事項を定めています。
【必ず明示する事項】
①労働契約の期間に関する事項
②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
⑤賃金(退職手当を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む)
【定めがあれば明示する事項】
⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
⑧臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等並びに最低賃金額に関する事項
⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
⑩安全及び衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰及び制裁に関する事項
⑭休職に関する事項
となっています。そして④と⑤のうち、昇給に関する事項を除いては書面の交付が必要になります。また、もし実態が労働契約で明示された内容と異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます。
現実的に、労働契約を解除することはそんなにあるとは思えませんが、記載されている内容はとても重要な事項です。さらっと流すのではなく、疑問があれば総務や人事担当者に確認した方がよいでしょう。
※写真は五十鈴川沿いのおはらい町の街並み(三重県伊勢市)
2017年03月27日 05:37