公的年金額がちょっぴりアップします
まず基礎年金、今年度は令和元年度に比べて0.2%のアップ、月額で133円、年間では1,600円アップして年額781,700円となります。ただし基礎年金は加入月数に比例するため、先ほどの金額はあくまでも40年間(480ヶ月)加入した満額の年金額の場合となります。
次に厚生年金ですが、こちらは加入期間やその間の報酬額によって年金額は千差万別となります。そのため、日本年金機構がホームページ上で公表しているモデルケースで、平均標準報酬月額(賞与を含む月額換算)43.9万円で、40年間就業した場合の夫婦二人の厚生年金+基礎年金の合計額として、以下の年金月額が示されています。
令和元年度 220,266円
令和2年度 220,724円
月額で458円、年額で5,496円の増額ですが、さてこの金額が多いのか少ないのかは昨年の消費税アップ率(2%)と比べれば、一目瞭然といえるかもしれません。年金が増額されても、それ以上に負担が上がれば、年金の実質的な価値は下がってしまいます。更に言えば、上記の金額では年金だけで生活することは一般的には難しいでしょうから、それなりの自助努力も必要ということになります。
今後は年金保険料を負担する若い人が減る一方で、受給者は増え、高齢化によって経済そのものの低成長が続けば、年金の原資となる積立金はどんどん先細る一方です。それはさらに自助努力の幅が大きくなることであり、果たしてこの国の20年、30年度はどんな社会になっているのか、考えただけでも怖くなります。自己否定をするようですが、FP業務としてのマネープランニングの場面においても、元手と経済成長が見込めない状況では、なかなか明るい提案は難しくなってきます。
そもそも年金に頼らないマネープランニングやライフプランニングを考える必要があるのかもしれませんね。
2020年06月09日 16:36