人事異動や転勤を拒んだら
転勤まではないものの、人事異動のない会社はありません。例えばある地域内で複数店舗で営業をしていれば、その店舗間の異動であっても人事異動と言えます。もし自宅から近い店舗から遠い店舗への異動となったとき、「自宅から遠くなるのでお断りします」と言われて拒否される可能性も無いとは言えません。あるいは「自分の希望しない仕事だからしたくありません」と拒まれることもあるかもしれません。
一般に企業ではこういった人事異動で起こる問題を想定して、予め就業規則等で「人事異動を命じられたときには、これに従わなければならない」といった旨を定めています。そのためもし拒んだ場合には、服務規程違反ということで、一定の処分をすることが可能になります。就業規則の懲戒規定にもよりますが、場合によっては退職を求めたりすることもできます。
もっとも、転勤を命じたことをきっかけに退職となっては、労使双方によってマイナスとなってしまします。転勤を命じる場合にはその理由や期待することなどを説明し、本人が納得して転勤できるようにすることもポイントとなります。
一方で正当な理由もなく、個人的なわがままで転勤や人事異動を拒否した社員をそのままにすることは、ごね得となり、決してよい効果を生みません。その点を勘案してもし拒んだ社員がいる場合の対応を検討しておく必要があります。
2020年10月07日 19:04