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法定相続情報証明制度が始まります

白川疎水
昨年夏頃、法務省から発表されていた「法定相続情報証明制度」が今年の5月末ごろから運用開始されることが先月28日に決まりました。この、制度どれくらい私たちに関係があるのでしょうか。
不動産(家や土地)の所有者がなくなって相続が発生した場合、法律では相続登記を行って不動産の名義を変更することが必要です。親が亡くなって、親名義の土地をその子供が相続したことで、子ども名義に書き替えるといった具合です。ところが現実は、そのままの状態、つまり亡くなった人の名義になっている土地が多く存在しています。その理由の一つが、不動産や金融資産の相続には、被相続人(=亡くなった人)の、生まれてから亡くなるまでの戸籍書類をすべてそろえ、かつ提出先(不動産の場合は登記所、金融資産の場合は関係金融機関)ごとに提出しなければならないという、手間と費用が必要なことがあります。この法定相続情報証明制度は、その負担軽減を図ろうというものです。
では、何が変わるか?ですが、先ほど書いた理由のうちの前半は同じ手間がかかります。まず、被相続人の、生まれてから亡くなるまでの戸籍書類をすべてそろえ、プラス法定相続に関する情報を登記所に提出します。そののち、登記官はその内容を確認し、「法定相続情報」を作成します。そしてここからがこの制度のメリット、この法定相続情報に関する証明書1通を各登記所や金融機関に提出することで相続手続きができるということです。
確かに、提出先が複数の場合、証明書1通で済めば費用面では負担減にはなります。しかし、法定相続情報を作成する際には生まれてから亡くなるまでの戸籍書類は揃える必要があり、この手間はそれほど軽減されていません。どっちつかずの中途半端な点は否めません。

相続は確かに負担はかかりますが、人生そう何度も経験するものでもありません。
費用と手間にどれほどの効果があるのか、少し疑問符が付きます。
※写真は古川町あたりの白川疎水(京都市東山区)

法定相続情報に関する法務省法務大臣閣議後記者会見の概要」についてはこちら


2017年04月03日 08:09
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