雇用保険料が4月から下がります。
厚生労働省の労働政策審議会が先月31日、平成29年度の雇用保険料率を定める告示案を妥当として、厚生労働大臣に答申したとの発表がありました。これにより、雇用保険料が、ちょっぴりですが下がります。
雇用保険は社会保険料(厚生年金・健康保険)同様に、雇用保険二事業に係る穂保険料を除く部分を労使折半で負担しています。今回、労使負担分ともに料率で1000分の1、0.1%下がります。(引き下げ後の料率は下表参照)
事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 |
---|---|---|
一般の事業 | 1000分の3 | 1000分の6(うち雇用保険ニ事業が1000分の3) |
農林水産・清酒製造の事業 | 1000分の4 | 1000分の7(うち雇用保険ニ事業が1000分の3) |
建設の事業 | 1000分の4 | 1000分の8(うち雇用保険ニ事業が1000分の4) |
雇用保険は、厚生年金や健康保険料に比べてもともと保険料率が低いため、今回0.1%下がると賃金が20万円の場合で保険料は200円安くなります。あまりお得感はないかもしれませんが、それでも缶コーヒー約2本分と思えば上がるよりはいいですよね。
ちなみに雇用保険料の使い道でもっとも身近なものは、失業手当(雇用保険法では基本手当といいます)です。この給付額が多い、言い換えれば失業者が多く失業手当がたくさん支払われ、雇用保険の積立金が減れば、保険料率は上がります。過去1980年以降、5.36%ともっとも失業率が高かった2002年(平成14年)の翌年には、雇用保険料率は1000分の19.5、そのうち労働者負担分は1000分の8でした。料率では今の2倍であったことになります。リーマンショックの2010年以降、失業率は下がる一方ということが今回の引き下げの一因のようです。
給与計算担当者の方、料率の変更を忘れずに。
サラリーマンの方、4月の給与明細はしっかり確認をしましょう。
※写真は岡崎公園にて(京都市左京区)
平成29年度雇用保険料の引き下げに関する厚生労働省の資料はこちら
2017年04月04日 05:30