労働法教育プログラムが作成されました
厚生労働省が、全国の高等学校等のための「労働法教育プログラム」を作成し、モデル授業の冊子を全国の高等学校に配布しました。
プレスリリースにアップされたモデル授業の冊子は、17ページ程の抜粋版ですが労働条件に関するポータルサイトではすべての資料がアップされており、読んでみました。労働に関する20のルール、例えば労働時間・賃金・休日出勤・ハラスメント・採用面接時のNG等について、問題点を議論し考えるという構成になっています。
高校生に対して労働法に関する知識を身に付けてもらうことは、個人的には賛成です。3カ月ほど前にもあるコンビニチェーンで、アルバイトの高校生が無断欠勤したことを理由にバイト代から過大な罰金を差し引いたことが報道されました。この事件は、最近お話しした社労士の先生との間でも話題になりましたが、もし減給をする場合、その額は1日の賃金の半分、もしくは1賃金支払期(例えば1ヶ月分)の10分の1と労働基準法で定められています。これを超えた減額であったわけですが、もし高校生がこれが法律違反であることを知っていれば結果は変わったかもしれません。いずれ社会人となる人達にこの教材を使って労働法について学ぶことは、自分を守る術にもなります。
ただ、この資料を読んで一つ感じたこと。権利を主張することに主眼が置かれているようでその点が少しに気なります。ニワトリが先か、卵が先かの議論になりますが、権利と義務は表裏一体です。労働するということの意義についても少し触れてもいいのではないでしょうか。
「『はたらく』へのトビラ ~ワークルール 20のモデル授業案~」の冊子等を作成・配布-に関する厚生労働省の資料はこちら
2017年05月05日 07:40