ゆとり教育といわれて久しいですが
昭和36年~・・・5,821時間
昭和46年~・・・5,821時間
昭和55年~・・・5,785時間
平成 4年~・・・5,785時間
平成14年~・・・5,367時間
平成23年~・・・5,645時間
平成33年~・・・5,785時間(予定)
これは文部科学省(平成12年以前は文部省)が学習指導要領で定めた小学校6年間の授業時間数の変遷です。(平成33年以降は予定)
私が子どもの時代に受けたのが詰め込み教育でしたが、暗記力や受験テクニック、偏差値重視と言われた反省からいわゆる「ゆとり教育」が2002年から始まりました。その後、猫の目のように指導要領が変わり、この20年ほどの間に、「ゆとり教育→脱ゆとり教育への移行期→脱ゆとり→新教育課程」と変わってきています。結局のところ、授業時間数だけをみれば、元の詰め込み教育の頃に戻ることになり、いったいこの20年間は何だったのだろうと考えるのは私だけではないと思います。
ゆとり教育を受けた人たち(1987年~2001年生まれ)を「ゆとり世代」と呼び、特に社会人となり始めた頃には何かと揶揄されましたが、その教育制度を作ったのは時の政治家や官僚であって、本人たちには何の罪もありません。前職で採用担当をしていたとき、学校の先生や就職サイトの担当者の方ともしばし話題になりましたが、すべてを教育の問題であるかのように言うのは今でもどうかと思います。
そもそも、ゆとり教育の目的は「授業時間の削減で生まれた時間で考える力、創造力を養う」というようなことだったと記憶しています。しかし、「考える力、創造力を養う」ためにはベースになる知識が必要で、その部分をおざなりにしてしておいて、いざ「考える力を身に着けなさい」というのはちょっと無理があったのではと思います。
平成33年以降の新教育課程では、時間数だけは以前の詰め込み教育の頃に戻りますが、時間数だけ戻せばよいというものではありません。国は同じ轍を踏まないよう、いろいろと検討しているのでしょうが、教育制度は国の根幹ともいえる制度です。知識と創造力のバランスを取った制度を考えて欲しいものです。
※写真は賀茂川・葵橋にて(京都市左京区)
2017年05月09日 07:56