残業時間の公表が義務付けられる方向です
昨日の日経新聞の記事です。
内容としては、従業員300人以上の大企業に対し、年1回自社のホームページに従業員の月平均残業時間の公表を義務付けるというものです。従わない場合には罰則も設ける方針とのこと。
公表すること自体は現状からすれば大きな一歩です。少なくとも社外の多くの人の目に触れることは、企業イメージの良し悪しにも影響します。何より就活生からどう評価されるかは、企業にとって死活問題にもなりかねません。
ただ、実施するのであればもう少し踏み込んでほしいと思います。まず、300人以上の企業に限定するのではなく、少なくとも36協定を締結し、届出をしている企業は全社対象とすべきです。労使協定を守っているか否かについても併せて判断できます。また、各企業のホームページでは統一性がなく、どこにその数字が公表されるのか分かりません。せめて、労働基準監督署、できれば厚生労働省のホームページで一括して公表するのが、よりいいのではないでしょうか。
公表について企業の事務処理が増えるという反発が想定されるとのことですが、それはどうでしょう。このご時世、多くの企業では従業員の勤務時間は社内システム等で一括管理されています。少なくとも給与計算ソフトには残業時間が入っているはずで、集計・加工すれば済むだけではないでしょうか。そしてその時間を厚生労働省に連携すれば、一括して公表することも難しい話ではありません。こんな時にこそ、マイナンバー法人番号の有効活用をすべきです。
もしかして一番難しいのは、企業内で従業員の残業時間を正しく把握・管理されているかどうか、という根本的な部分にあるのかもしれません。
※写真は二尊院参道(京都市右京区)
2017年05月19日 08:12