京都の東西線はちょっと違います
全国に東西線と名のつく電車は5つ、札幌・仙台・東京・京都の地下鉄と、大阪のJR。その中でも京都の東西線は特徴的です。
京都市営地下鉄の東西線は太秦天神川(うずまさてんじんがわ)駅と六地蔵駅を結ぶルートと、途中の御陵(みささぎ)駅から滋賀県の浜大津に行くルートがあります。ただし、後者は正確には京津(けいしん)線といい、私鉄の京阪電鉄が運営し、御陵から太秦天神川間はいわゆる相互乗り入れをしています。
ちょっと違うのは、この相互乗り入れをしている電車です。区間は太秦天神川から浜大津となりますが、この区間を走る間に様々な光景を目にすることになります。
まず、太秦天神川から御陵の区間、つまり相互乗り入れの区間ですが、ここはごく普通の地下鉄区間です。東京の東西線のように、高架を走ることもありません。やがて、京阪山科駅を過ぎると電車は外に出て、徐々に山間部に入っていきます。そして大谷駅~上栄町駅間で、電車はまるで登山鉄道のような区間を走ります。逢坂山を超える際には、61‰(1000m進むうちに61m登る)という急な坂と急カーブを走るため、線路と車輪が軋む音が響きます。ようやく平地に出て、上栄町駅を出ると、次は終点の浜大津駅ですが、ここでまた想定外の景色が飛び込んできます。なんと、路面電車になるのです。この区間は国道161号線の併用区間となり、4両の電車が路面を走ります。通常、路面電車は2両編成(長さ30メートル未満)ですが、この電車は地下鉄との併用であることから特例として認められています。路面を4両編成の電車が走るのは、並走する車からみると結構迫力があります。
このように、地下鉄→登山鉄道→路面電車と変わる電車は、全国でもこの区間だけです。その道のマニアの方には結構人気とか。京都観光のメニューに「浜大津まで電車でぶらり」を加えてみてはどうでしょうか。浜大津駅を下りると、目の前は琵琶湖が広がっています。
ちなみに、三条京阪から浜大津まで23分程の距離ですが430円、少し高めです。
※写真は浜大津からの琵琶湖(滋賀県大津市)
2017年05月28日 07:21