民法改正で生活に影響がありそうなこと
➀時効について
報酬や手数料、代金といったお金の支払いを請求できる期間、今はその種類によってバラバラです。例えば、飲食代や宿泊料・運送料は1年、塾の授業料や弁護士報酬は2年、病院の診療費は3年、個人間の債権は10年といった具合です。これをすべて統一して5年とすることになります。今までこの違いがなかなか難しかったのですが統一されることで分かり易くなります。
②売主の瑕疵担保責任
商品を購入したとき、もしその商品に瑕疵(欠陥)があった場合、今は契約を解除するか、損害賠償を請求するかのどちらかです。改正後はこれに加えて、修理や交換を求めることができるようになります。ただし、請求できる期間は買主がその欠陥を知ったときから原則として1年以内です。
③賃貸住宅の敷金や現状回復
賃貸契約を結ぶとき、賃借人(借り手)は賃貸人(大家さん)に敷金を支払いますが、退去時には解約引き(敷引きともいいます)として敷金から一定額を差し引いて賃借人に返還されるというルールがあります。このルール、特に西日本で多いのですが、賃貸人はこの引いたお金で現状回復等を行います。改正後は、敷金は原則として全額返還、現状回復費は賃貸人が負担するということが明確化されます。ただし、家賃の滞納等があれば、敷金から控除すること等は認められています。
④法定利率
当事者間で特に決めていない場合に適用される「法定利率」は5%と定められています。これが改正後は3%に引き下げられます。また、この利率は一定の条件で政令にて変動することができるようになります。確かに5%はこの低金利時代の実態にはあっていませんよね。
③については、判例などではすでに同様の解釈がされており、今回の改正では、これを明文化したことになります。他にも、多々変更されていますので、施行までの周知期間も長く、3年程度となるとのこと。今後は私たちの生活にもいろいろなところで影響がありそうです。
※写真は東遊園地公園にて(神戸市中央区)
2017年05月31日 09:32