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あの企業が京都の町屋を・・・

真如堂境内にて
今日は地元ネタです。

女性下着メーカー大手といえば言わずと知れたワコール、京都市内に本社を置く大手企業の一つです。新幹線で京都から大阪に向かう場合、京都駅を発車してすぐ左手に本社ビルが見えます。

さて、このワコールが5月30日の同社のホームページで宿泊施設の運営事業に参画することをリリースしました。以前にもこのブログで京都市内は外国人観光客の増加で宿泊施設が不足していることを書きましたが、同社が参入する理由はこの問題解決のためだけではないのです。

その大きな理由は、京町屋の保全と有効活用です。京町屋というのは、京都独特の店舗併設の住宅ですが、近年は都市化や、住人の高齢化と建物の老朽化でその数が減っているといわれています。最近では空き家となった町屋を、外観は変えず、内部を改装した居酒屋やカフェ等を多く見かけるようになりました。今回ワコールでは、これを宿泊施設に改修して利用しようとするものです。

宿泊料の一部は借り上げた京町屋の所有者にも還元されるとのことですが、京都の街並み、都市景観を守るということには意義があるように思います。ただ、京町屋の保存と宿泊施設の不足解消という2つの課題を一挙解決!とは簡単に言えないようにも思います。

問題になるのはその立地です。既存のホテルや宿泊施設は商業地にあることが多いのですが、京町屋は店舗でありながら住居ということで、隣近所には人々の日常生活があります。また京都にはその地域独特の文化もあります。そこに宿泊施設を作るということは事前の合意形成が大きな問題になります。

同社のサイトにも「近隣住民をはじめ地域コミュニティとの良好な関係構築を前提に、対象物件の選定を進めます」とのコメントがあります。京都に根差した企業であるがゆえに、いいものを無くさないような取り組みをお願いします。


2017年06月04日 09:02
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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一柳 賢司

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