巨人の13連敗から企業が学ぶこと
原因については、ネットや新聞紙上で多々取り上げられていますが、私が最も関心を持ったのは、8日(木)の朝日新聞のスポーツ欄の記事です。
「根本的な原因は、球団に長期的な視点が欠けていたこと」「将来を見据えた育成に目を向けていなかった」「ドラフトでは競合を避け、獲得した有望な選手も育成できなかった」など。またその結果として、7日の試合のスタメンには、過去10年以内にドラフトで獲得した選手、いわゆる「若手の生え抜き」が1人しかいない、という状況を生んで言うというものです。
確かにプロ野球をある程度見ている人から見れば、巨人には生え抜きの選手が少ないという印象はあります。FAで選手を獲得する分、若手選手の成長の芽は摘まれてしまい、その長年の積み重ねが、今の広島との差であることは否めません。
さて、この点は企業も同じです。企業が成長し、安定的な経営を続けるためには、何よりも人が必要です。即戦力として中途採用や外部から招いて有能な社員を補強することも大切ですが、もっと大切なことは新卒採用から生え抜きを育て、企業の柱として育てることです。この部分を怠るとやがて社員の気持ちが離れ、退職することになりかねません。
今後、巨人が生え抜きの選手を育て優勝できるようになるまでには、どれくらいの時間が必要になるでしょうか。企業も、将来を見据えた継続的な社員の採用や育成を後回しにしたり、また社員の気持ちがいったん離れてしまうと、それを元に戻すには長い時間が必要になります。
優勝(利益)優先の結果、失われた若手選手(若手社員)の育成のツケが、得た利益を超えてしまっては何の意味もありません。球団も企業も人で成り立つ以上、育成には長期的なビジョンが大切であるということは共通項です。
※写真は吉田山山道のお地蔵さま(京都市左京区)
2017年06月13日 07:46