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観光と地元の生活のバランス

真如堂アジサイ園
今日は地元ネタです。

先週、お客様との打ち合わせの帰り、祗園の花見小路通を歩く機会がありました。花見小路通は、景観保全のための電線の地下化や石畳みの整備がされ、通り沿いには古くからの茶屋や小料理屋が並んでいます。祗園の写真といえば、花見小路通が使われるといっても過言ではない、情緒ある街並みが続きます。

平日の午後4時過ぎ、そこは少し異様な光景でした。聞こえてくるのは外国語ばかりアジア系と欧米系の観光客が半々で、一時期より中国人や韓国人は減ったように感じました。が、私のようにスーツを着ている人は皆無、日本人と言えば店員くらいです。また、意外にも小学生くらいの子どもを含む家族連れが多いのです。余計なお世話ですが、学校はどうなっているのでしょうか。

そしてもう一つ、初めて目にする光景がありました。花見小路通から西へ、大和大路通に続く通りを入ると、普段はそこにも静かで情緒のある街並みが続きます。この日ここで行われていたのが、結婚式の前撮りの写真撮影です。撮影を待つ何組もの待ち行列があり、すべて日本人カップルではないのです。通りをほぼ埋め尽くす集団、祗園本来の情緒ある風景がその時間は壊れているような、複雑な心境でした。

今年の春、祗園白川の夜桜のライトアップが中止になりましたが、その原因の一つが外国人観光客のマナーの悪さが近隣住民の日常生活を脅かすためということでした。私の自宅の近くにも、京都市公認の民泊がありますが、夜中に大声を出したり、道路いっぱいに広がって歩く光景をよく目にします。京都市内の簡易宿所(民泊)の数は平成24年に360件であったものが、今年の4月には1,555件と4倍にもなっています。もしかして、京都市内のあちこちでこういった状況が起きているのかもしれません。

京都に限らず、観光地にもそこに住んでいる人たちの日常生活があり、地域ごとの文化もあります。観光立国を目指し、多くの外国人観光客を誘致することも大切ですが、うまくバランスをとっていかないと、やがてもっとも大切な「おもてなし」という心の面が、徐々に薄れていってしまうのではないかと危惧してしまいます。

最後にふと思うのは、日中の熱い中、スーツを着てビジネスバックを下げて花見小路を歩く私の姿も、外国人観光客から見れば「異様な光景」だったかもしれませんね。


2017年06月18日 10:06
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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