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退職金の減額はできる、できない

長命寺参道
最近受けた相談です。
「自己都合で会社を退職したが、退職金を4割削減された。これ、問題ではないの?」

まず、初めに退職金は労働基準法では事業主に支払い義務はありません。支払う支払わないというのはあくまでも会社毎の規定であり、その支払額の計算プロセスも同様です。ただ、退職金制度は賃金後払い的な要素があり、また退職後の生活を支えるといった意味もあり、約75%の企業で退職金制度を設けています。

支払義務はありませんが、もし退職金を支払うとなれば、退職金規定を定めておくのが理想的です。その規定で支払基準(例えば勤続3年以上の退職者に支払う)とか、計算式(例えば勤続年数や月数×単価+加算額)などを定めておきます。
そして、もし退職理由によって減額を行う場合には、その理由と減額率を規定に定めておかなければなりません。例えば、懲戒解雇時には支払わない、自己都合退職の場合は1~4割を減額、会社都合・定年退職時は全額支払いといった具合です。

通常、自己都合退職の場合には少なからず減額されることが一般的です。ただし、その減額率も勤続年数が長くなればなるほど、貢献度や過度な減額は好ましくないといったことを配慮し、一般に小さくなります。勤続年数が5年未満は4割、15年で3割、25年で2割、30年以上で1割程度の減額が平均的というデータもあります。勤続年数25年、30年ともなれば自己都合とはいえ、余りに過度な減額は問題となる可能性があります。

しかし、もし退職金規定に減額に関する明確な定めがない場合、労働者に大きな過失や懲戒免職に該当するといった問題がない限り、使用者の判断で減額したり、支給しないとすることはできません。

冒頭の相談ですが、回答としては「就業規則や退職金規定を確認し、もし減額に関する規定があり、それが著しく労働者に不利益でなければ減額は妥当です。規定がなければ、原則として減額はできません」ということになります。

会社の退職金規定、一度確認してみてはどうでしょうか。

「退職金の世間相場はどれくらい」もご覧ください

※写真は長命寺参道にて(滋賀県近江八幡市)


2017年06月28日 08:46
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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一柳 賢司

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