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マイナンバーシステムの利用料、お一人様6.64円也

竜安寺石庭
ようやく今月中旬から試行運用が始まるマイナンバーシステムを利用した情報連携、この利用料が厚生労働省から通知されました。

今回その利用料の対象となるのは、中小企業の会社員が加入する「協会健保」や大手企業の「組合健保」です。利用料は加入者やその家族、言い換えると被保険者や被扶養者ひとりあたり月額6.67円を乗じた一律負担となっています。今年四月にはいったん厚生労働省はひとりあたり10円を提示していたのですが、猛反発を受けての値下げとなりました。

でも、一律負担というのはどうなんでしょう。健保組合がマイナンバーを利用して情報照会を行うケースとして、
➀被扶養者の生計同一・維持関係の確認
②被扶養者の所得情報
③健康保険と厚生年金などの重複給付の確認
などが想定されますが、すべての被保険者の情報を毎月1回照会するとは思えません。安定的に財源を確保するには利用回数ではなく、一律の方が安定的との判断でしょうか。

ちなみに、保険者が負担している費用にはもう一つ、「審査支払に係る事務費手数料」というものがあります。これは、医療機関が保険負担分(7~9割)の医療費を健保組合などに請求する際、直接健保組合に請求し、支払いを受けるのではなく、社会保険診療報酬支払基金へ請求し、支払いを受けています。つまり、健保組合等は社会保険診療報酬支払基金に医療機関からの請求の受付・審査・支払いを委託しているのです。その委託手数料は、ざっくりですが1請求あたり医科・歯科が80~92円、調剤は40~52円前後です。マイナンバーに比べて10倍前後の費用ですが、こちらは実績払いということで透明性があります。

当初の10円から6.67円を実現するためにシステムの稼働時間を24時間365日から午前7時半から午後10時までとし、システムトラブルの対応水準を引き下げるとのこと。稼働時間はやむを得ないところもありますが、少なくともセキュリティは、手数料とは関係なく、しっかり確保してもらわないと困ります。

万が一にでもセキュリティ事故があったときの理由を、「手数料を下げたため」なんていうことにないようにお願いします。

※写真は龍安寺の石庭(京都市右京区)


2017年07月04日 04:57
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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