夏休み、長時間の移動時には要注意です
「急性肺血栓塞栓症」とは、別名「エコノミークラス症候群」です。こちらの方が聞き覚えがあるかもしれません。飛行機等の長時間の移動中、座りっぱなしで足を動かさないことによって、ふくらはぎ等の静脈の血流が悪くなると、血管の壁に血の塊ができます。この血栓が、到着後に足を動かすことによって壁からはがれ、塊となって心臓に戻り、肺に入ったときに肺の血管をふさぐ(塞栓)ことで呼吸困難を引き起こす病気です。また到着直後ではなく、相当時間が経ってからも発症することもあるそうです。場所が場所だけに命にもかかわることはご存知の通りです。
この「エコノミークラス症候群」ですが、最近は「ロングフライト血栓症」と呼ばれています。これは、エコノミークラス以外の席でも起こりうることから、日本旅行医学会が定義したものです。飛行機だけでなく、車のドライブでも同じ状況下であれば起こり得ますので注意が必要です。ちなみに、日本旅行医学会のホームページには、以下の予防策が記載されています。
➀ 2-3時間ごとに歩く
② 座席に座ったままでかかとやつま先の上下運動と腹式呼吸を一時間毎に3-5分行う
③ 水分をまめに摂取する(アルコールは脱水を助長するので避ける)
④ 足は組まない
⑤ ゆったりした服装
⑥ 睡眠薬は使用しない
⑦ 座席は通路側に座る
ケースとしては稀ですが、長時間同じ姿勢で、かつ足を組んだ状態でのデスクワークでも起きる可能性があります。私は、昔の怪我で膝が少し弱いため、長時間足を固定することができません。そのためこまめに膝関節を屈伸させるのですが、これが適度に足を動かすことになっているようです。
デスクワークの方も上記の①~④は参考になります。適度に体を動かすことで可能な対策をしてはどうでしょうか。
ロングフライト血栓症に関する日本旅行医学会のサイトはこちら
2017年07月13日 08:51