どちらの働き方を選びますか?
「地域限定正社員」、その名が表すように、勤務地を限定されている正社員のことです。転居を伴わない範囲での異動はありますが、それを超える、いわゆる「転勤」のない社員として働くものです。
メリットとしては、家族と一緒に生活ができるということが一番です。子供の学校のことを考えると単身赴任をする、もしくは一緒に生活することを優先するために子供が転校する、といった今までの二者択一がなくなります。また、親の介護が必要になった場合の負担も少なくなります。雇用の多様化や、少子高齢化といったこれからの時代を考えると、社員の子育て・介護の負担軽減は、企業としては少なからず考えておく必要があり、その面では評価できる仕組みです。
もちろんデメリットもあります。導入している多くの企業では、当然のことながら転勤が可能な社員との差を付けています。給料、賞与、昇格の制限などです。企業からすれば転勤可能な社員に何らかのインセンティブを与えなければ、逆に転勤ができない社員については、それに伴う待遇としなければ人事のバランスが取れなくなります。選択肢の一つとしてみれば、相応の差はあっても当然かと思います。
ただし、企業がこの制度を逆手に取ると本末転倒になります。例えば業績悪化の時に、一律に地域限定正社員にするような人事発令を行って人件費を削減するとか、人事評価の低い社員に対して同様の発令をすることで、減給するといった具合です。これでは企業本位の偏った制度となってしまい、本来の主旨とはかけ離れてしまいます。
あくまでも社員が選択できる制度であり、一度選んだら変更できないということではなく、社員のライフステージに対応できる仕組みであるのが理想的です。
さて、皆さんの会社に導入されたら、どちらを選択しますか?
※写真は真如堂・三重塔(京都市左京区)
2017年07月20日 07:28