高次脳機能障害を知っていますか?
高次脳機能障害の原因となるのは、脳血管障害や脳炎、脳腫瘍などがありますが、もっとも身近なリスクとしては交通事故による後遺症があります。またこの障害は、外見では判断が付きにくいため「見えない障害」とも、「気づきにくい障害」とも言われています。
おもな症状には
➀記憶障害・・・見たことや聞いたことをすぐに忘れてしまう
②注意障害・・・1つのことに集中できない。同時に複数のことができない
③遂行機能障害・・・計画を立てて作業を進めることができない
④失語症・・・言葉が出てこない、相手の話が認識できない。コミュニケーションの障害。
⑤失行・・・今まで使うことができた道具が使えなくなる
⑥失認・・・視覚、聴覚、触覚に問題がないのにそのものを認識できない
⑦半側空間無視・・・片方の空間に意識が行かなくなり、障害にぶつかる、物があることがわからない
⑧身体失認・・・身体の半側の状況が自覚できない
といった症状が一つ又は複数起こるものです。この障害は周りの人だけでなく、本人も障害があることの認識がない、自覚しにくいことがあるのも特徴としてあげられています。
高次脳機能障害と診断されている人は厚労省の2011年の調査で全国で42万2000人と推定されています。その症状は人それぞれですが、雇用面では適切な配慮・フォローをすることで就業が十分可能な人も大勢います。また、障害者の雇用促進として来年(平成30年)4月からは精神障害者もその対象に含まれることになるため、高次脳機能障害者の雇用拡大も期待されています。
高次脳機能障害となる人は増加しています。いつ自分が、同僚が、部下がなるとも限りません。先に書いたように、ひとりひとり障害の程度は異なりますが、受け入れの際の対応手順やフォローの体制等、職場での環境作りをしておくことも必要です。
※写真は柊屋旅館(京都市中京区)
2017年07月21日 08:07