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選択肢が増えるだけであればいいのですが

宗忠神社本殿
内閣府の有識者による検討会で、年金の支給開始年齢について議論が進んでいます。

公的年金の支給開始年齢は、原則は65歳からとなっています。ただし、今は経過措置があり、厚生年金の報酬比例部分については63歳から受給することができます。完全に65歳からとなるのは、男性が昭和36年4月2日以降、女性が昭和41年4月2日以降に生まれた人からです。

原則は65歳からとなっていますが、現行制度では前後にそれぞれ5年づつ、支給開始年齢を早めたり(繰上げ)遅くしたり(繰下げ)することができます。この場合、繰上げたあるいは繰下げた月数に応じて、年金額は増額もしくは減額されます。繰上げの場合は1月で0.5%の減額、繰下げの場合は1月で0.7%の増額となり、もし60歳から受給する場合には、従来の年金額より30%減額、70歳から受給する場合には、従来の年金額より42%の増額が死ぬまで続くことになります。

原則通り65歳から受給するか、繰上げるか、繰り下げるかは健康面や、経済面等を考慮して決めることになりますが、実際には繰下げる人はほとんどいません。平成26年の統計では、繰上げが37%、原則通り65歳からが62%、繰下げはわずか1%となっています。

さて、今回検討されている案は、受給開始年齢の選択肢を70歳以降に拡大することです。報道では75歳という数字も検討の余地に入っているとのことですが、平均余命や現制度の繰下げの実態からみて、どれくらいの人が選択するのでしょう。社会保障給付費の削減ということもあるのでしょうが、ここまで年齢が上がると、払い込んだ保険料分を受け取ることは難しいように思われます。もっとも危惧されるのは、これをきっかけに、いずれ支給開始年齢が全体に5年後ろにずれることです。「原則70歳、65歳~75歳で選択」が原則となると、なかなか厳しいですよね。

ちなみに現制度で60歳まで繰上げ、30%減額の年金を受給する場合、65歳開始の受給額と累計額が同じになる、損益分岐点は「77歳」です。つまり、77歳以上長生きする場合には、65歳から受給した方がおトクということになります。

※写真は宗忠神社本殿(京都市左京区)


2017年08月08日 05:18
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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