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国税の滞納額、8971億円

吉田神社参道
国税庁が平成28年度末の国税に関する滞納額を公表しました。その額、8971億円

プレスによると、滞納額自体は、平成11年以降18年連続で減少しています。平成10年度の滞納額は、なんと2兆8149億円、ざっと今の3倍超もあったというから驚きです。

さて、その平成10年前後とはどんな時期だったのでしょう?「そんなこと言われてもまだ生まれていない」という人も多いかと思いますが、こんなことがあった頃です。

平成9年は消費税が3%から5%に引き上げられたことがきっかけに、バブル崩壊後やっと回復基調にあった経済がまた逆戻りしてしまいました。また「金融不況」によって、当時4大証券と呼ばれた大手証券会社の一角であった山一證券や、都市銀行の北海道拓殖銀行が経営破綻しました。金融不安が連鎖し、特例措置でペイオフが凍結されたり、公的資金が金融機関に注入されたのがこの年です。

平成10年は金融危機を収拾しようと、金融機関が自己資本増強のため、いわゆる「貸し渋り」「貸し剥がし」を行ったことで、日本中が不況となりました。これにより多くの企業が減収減益となり、その問題の矛先が金融行政に向けられ、金融庁が当時の大蔵省から分離されたのもこの年です。

思い出しました? 破産した山一証券の社長の記者会見、記憶に残ってますよね。ペイオフという言葉が知られるようになったのもこの頃だったと思います。
この当時の時代背景からすれば、2兆円を超える滞納が生じていたことも、ある意味で納得できますね。

少し話は変わりますが、この滞納額に占める割合が最も多いのが法人税ですが、そもそもの法人税額の総額は、この平成10年前後よりも今の方が少なくなっています。その原因は法人税率の引き下げ。平成9年まで28~37.5%であった税率は、今や15~23.4%に引き下げられています。その分増えた収益は企業内に留保されて、なかなか労働者に還元されていないことはご存知のとおりです。

社会に広く還元するために税率を上げれば、企業は海外へ拠点を移したり、雇用を減らしたりする。それを避けるため、あるいは企業から直接労働者に還元するために法人税率を下げても、企業は内部留保する、まるでいたちごっこです。
※写真は吉田神社(京都市左京区)

「平成28年度租税滞納状況について」に関する国税庁の資料はこちら


2017年08月09日 08:13
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ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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