京都駅の怪
地元市民の通勤通学はもちろん、多くの観光客も利用する「京都駅」、1997年には今の駅ビルが完成しました。当時はそのデザインがあまりに斬新過ぎて、景観も含めいろいろと話題になりましたが、今やすっかり京都の玄関口として馴染んでいます。
今日のお話しは、駅ビルではなく、京都駅について。ご存知の人も結構いるかと思いますが、京都駅のホームには2番~10番ホームはありますが、1番ホームがありません。その代りに0番ホームがあります。0番ホーム、ご存知でしたか?
この事象、我々利用客が使うホーム番号と、JRが線路につけている番線(線路の番号)に関係しています。京都駅の在来線の番線は0番~10番まであります。それぞれの番線に紐付けてホーム番号が割り当てられています。例えば2番線は2番ホーム、5番線は5番ホームといった具合です。
となると、「えっ、じゃあ1番線には1番ホーム?」となりますよね。でも、1番線にはホームがないんです。1番線は貨物専用の線路で0番線と2番線の間に通過用の線路として敷設されています。貨物専用なので、ホームは要りません。1番ホームがないのはこのためです。0番ホーム、もしくは2番ホームに立つことがあれば、線路を見てください。3本の線路がありますが、その真ん中の線路が1番線ということになります。
また、京都駅には34番ホームまでありますが、15~29番ホームは存在しません。11~14番ホームは東海道新幹線、30~34番ホームは山陰線、嵯峨野線、関空特急(はるか)となっています。どうして20番代がないのという疑問がここでも出てきますが、30番代は山陰線の「さん」にちなんでつけられたものです。分かり易いというべきか否かという議論はともかく、34番ホームまであるのは京都駅だけです。
最後にもう一つ、京都駅で少し時間があれば、0番ホームを端から端まで歩いてみてください。その長さ、実に558メートル、不動産広告で表記する「徒歩〇〇分」の時の想定が分速80メートルですから、0番ホームを端から端まで歩くには7分必要です。もっとも、0番ホームは30番ホームと繋がっていることが長い理由ですが。
京都駅に来たら、ホームのない1番線と、日本一長い0番ホーム(30番ホーム)を体感してみてはどうでしょうか。
2017年08月27日 15:36