会社の健康診断を受けていますか
会社(事業主)が、労働安全衛生法に基づいて、使用する労働者に対して行わなければならないとされている健康診断には、大きく2つ、「一般健康診断」と「特殊健康診断」に分かれています。労働者にとって最も身近な、年1回の定期健康診断は「一般健康診断」に分類されます。また、新規採用時に行う「雇い入れ時の健康診断」についても同じですが、雇入れ前3カ月以内に健康診断を受けている場合には、必要ありません。
ちなみに、他にどのような健康診断があるかですが、
【一般健康診断】
➀雇い入れ時の健康診断
②定期健康診断
③特定業務従事者の健康診断
④海外派遣労働者の健康診断
⑤給食従業員の健康診断
【特殊健康診断】
➀有害業務従事中の健康診断
②有害業務従事後の健康診断
③歯科医師による健康診断
といったものがあります。これらの健康診断の費用については、全額を事業主が負担することとされています。健康診断に要した時間について、賃金の支払い義務はないとされていますが、できるだけ支払うことが望ましいというのが国の見解です。通常は、就業時間内に行われることが多いのもそのためです。ただし、健康診断後に再検査等を受ける場合や、付加検診など検査項目を任意にプラスする場合の費用は原則として個人負担となります。
受診項目は健康診断の種類や、年齢によって異なりますが、それぞれ法律によって定められています。また、加入する健康保険によってはさらにプラスαされている場合があります。例えば、協会けんぽの場合、35歳以上の人には、胃部レントゲン(バリウム検査)が付加されています。
この健康診断、年1回自分の体の状態をチェックするということの他に、受診しておくメリットが他にもあります。例えば、生命保険に入る場合、保険会社によりますが、必ず直近1年~1年半以内の健康診断結果の提出を求められます。わざわざ自費でウン万円も使って検査を受けなくても、会社の定期健診結果があれば、それで代用することができます。
また、万が一健康診断結果で見つかった疾病などが原因で、後に障害年金を受給することになった場合にもメリットがあります。障害年金は原則として初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)の障害の状況で受給の有無が判定されますが、この初診日の判断が簡単ではないことがあります。しかし、健康診断で見つかった疾病が原因の場合には、健康診断を受診した日=初診日とされるため、手続きが非常にスムーズになります。
後者のケースはそうそうないとは思いますが、前者のケースはつい最近私も経験しました。忙しくても年1回は必ず受診するようにしましょう。
2017年08月30日 08:27