9月(10月納付分)から厚生年金保険料が上がります
平成16年から毎年9月に引き上げられてきた厚生年金保険料、今年も引き上げられます。率にして0.354%引き上げられ、保険料率は18.3%(労使折半で9.15%)となります。厚生年金保険料は、報酬月額に応じて1~31等級に分かれていますが、今回の引き上げで、労働者の負担分としては1等級で156円、31等級で1,097円保険料が上がることになります。
保険料の引き上げは、平成16年以降は毎年0.354%づつ引き上げられてきましたが、当初の想定では今年の引き上げで保険料率は固定されます。しかし、年金の総支給額は、年による変動はありますが、平均で毎年5,000億~1兆円程度づつ増えています。また、平成21年度の年金財政再計算時の試算では、毎年賃金が2.5%上がり、保険料をプールした積立金の運用利回りが4.1%を前提にして決められた保険料率です。皆さんの毎年の定期昇給額や、銀行預金の利率を考えると、現実的でない数字であることは一目瞭然です。果たして18.3%でいつまで固定されるか、疑問符がつきますね。
今年の4月に引き上げられた国民年金保険料も固定されることになっていますが、こちらも厚生年金保険料と同様と言えます。
ただ、もっとも問題なことは日本の年金制度が「賦課方式」であること。これは、今支払っている保険料は、そのまま受給者に支払う年金に支払われているということです。表現はよくありませんが、自転車操業のような状況です。保険料を支払った人に対して将来国が支払わなければならない保険金を「年金債務」といいますが、その額は500兆円とも1,000兆円ともいわれています。
これからさらに進む少子高齢化や、2年分ほどしかない年金積立金などを考えると、そう遠くない時期に、年金制度が立ち行かなくなるのは明らかなように思えてなりません。
心配性なだけでしょうか。
2017年08月31日 08:04