「職業倫理」と「MADE IN JAPAN」
ある特定の職業において求められる倫理、やってはいけないこと、守るべき社会との約束事といっていいのでしょうか。職業の種類を問わず、公共性の有無に関係なく、それぞれの職業にあって、私たちはそれを守って仕事をしています。
職業倫理を守ることで、社会から信用され、相互に安心して仕事ができます。安心してサービスを受けることができます。例えば私に求められている職業倫理は、業務に関する法令を守ること、依頼者に適切なサービスを提供すること、顧客の秘密を守ることです。
多くの企業や、集団にはそれぞれ「自浄作用」があって、職業倫理に反した場合にはこれを是正したり、排除するように働いています。つまり、それなりのペナルティを受けることになります。そのペナルティのレベルは、必ずしも一様ではありません。職業の種類、企業や個人によって異なります。ただし、その職業が公共性の高いものであればあるほど、厳格でなければりませんし、その責任は大きくなることは当然ではないかと思います。
ここ最近、国民の代表である方々に、職業倫理は言うまでもなく、人としての倫理も欠落しているような言動が続きました。確かに罪を犯したという訳ではなく、当事者の問題という意見もありますが、守るべき最低限のルール=倫理を守れないのであれば、いくら仕事ができてもということになります。その多くの人が、今回の選挙で「自浄作用」の洗礼を受けて相応の結果が出たことは、当然のことですよね。
「MADE IN JAPAN」という言葉があります。
資源のない極東の小さな島国が、世界第3位の経済大国の地位を保ち、国民がそれなりの生活を送ることができる、例えているならこの国の生命線のようなものです。今この言葉が少しづつ蝕まれてきています。その理由は、国内外で1つづつ。
国外では、「MADE IN CHINA」の逆転、先ごろ京都大学の先生のコメントを目にしました。「MADE IN CHINA」の品質が悪いという時代はもう昔話、今や建設業や鉄道の技術などでは日本は逆転されているとのこと。でも、個人的には食品はまだ怖いですが。
国内では、スキル(技術力)の継承が世代間でできていないこと。今、非正規雇用労働者が労働者全体の40%近く、ここ20年で倍になっています。製造業や建設業では非正規雇用の増加が、スキルを継承できない理由の一つと言われています。働き方の多様化、労働力の有効活用という面ではメリットのある仕組みですが、失ったものも大きい、両刃の剣だったのでしょうか。
3連休明けの月曜の朝、ふと思ったことを書いてみました。
※写真は左大文字山(京都市北区)
2017年11月06日 07:36