公的年金等受給者の扶養親族等申告書と個人番号申出書が送付されています
送付対象となるのは、老齢年金の受給者のうち所得税の課税対象となる人で、具体的な条件としては以下のとおりです。
1.65歳未満の人・・・年金受給額が108万円以上の人
2.65歳以上の人・・・年金受給額が158万円以上の人
この金額は、公的年金控除(65歳未満の人は70万円、65歳以上の人は120万円)に基礎控除(38万円)を加算した金額で、ここまでは所得税がかからない上限額を指しています。
扶養控除申告書は、毎年今の時期になると日本年金機構から送付されてくるもので、今年はハガキタイプからA4用紙へのサイズ変更がされていることと、返信用封筒に切手を貼って返送するという変更点があります。そして加えて、今年は「個人番号申出書(平成29年分扶養親族等について)」を提出しなければなりません。
こちらは、あらかじめ日本年金機構が把握している扶養親族の氏名等が印刷されている用紙に、それぞれのマイナンバーを記載し、このマイナンバーが正しいことを証明する書類を添付して送付しなければなりません。添付する書類とは、マイナンバーカードや通知カード、マイナンバーが記載されている住民票などのコピーです。今回提出すれば、扶養親族に異動がない限り、来年以降は同様の手続きは必要ありません。とはいえ、少々手間が必要であり、その時間を考慮して、今年は少し早めに送付されてきているようです。
さて、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の施行で、日本年金機構から税務署に提出する源泉徴収票について、平成29年分からマイナンバーの記載が必要になりました。「あれ、昨年分は?」という疑問、ありませんか?
日本年金機構では平成27年に125万人分にものぼる個人情報流出を起こしました。外部からのウィルスが添付されたメールを職員が不用意に開いたことに端を発したものですが、当時は大きな問題となりました。ちょうどこの時期は、マイナンバーの施行に向けた準備期間でもあったのですが、この問題を受けて、日本年金機構はマイナンバーの利用開始時期が、法律の改正による経過措置によって先送りされました。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 附則第三条の二)
この経過措置の期限が今年11月30日、つまり12月からようやく他の行政機関同様にマイナンバーを利用できることになるのです。
よって日本年金機構では、昨年もマイナンバーの記載は求めていたものの、事務としては利用できなかったということで、今年から正式に運用開始となるわけです。
この扶養親族申告書と個人番号申出書、問い合わせが相当多いようで、日本年金機構のホームページにもその旨が掲載されています。また、Q&Aや記載方法などについても併せて掲載されていますので、こちらを参考にされてはどうでしょうか。
「扶養親族等申告書」に関する相談の混雑状況について
「平成30年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」および「個人番号申出書(平成29年分扶養親族等について)」の提出について
※写真は幣舞橋(釧路市)
2017年09月21日 05:21